トマトで見出された汁液伝染性ラブドウイルスートマト葉脈透化ウイルス
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概要
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東京都で採集した葉脈透化, 斑紋, 縮葉などを示すトマトよりラブドウイルスが見出された。桿菌状あるいは弾丸状の粒子 (240-250×86-88 nm)は, 迅連なPTA染色またはグルタールアルデヒドを用いた前固定処理によりDN法で容易に検出できた。本ウイルスは汁液接種で3科7種の植物に感染し, Nicotiana glutinosa, N. rustica, ペチュニアに葉脈透化や葉脈黄化を示した。Datura stramonium, Chenopodium murale, ツルナには局部感染した。本ウイルスはセライトろ過, ショ糖密度勾配遠心などで純化され, 沈降係数は約1,040Sであった。感染植物において粒子は各種細胞の核膜間隙, 細胞質の膜構造内に多数認られ, 核質内には幅43〜47 nm の nucleocapsidも観察された。以上より, 本ウイルスは未記載と思われたので, トマト葉脈透化ウイルス (tomato vein clearing virus) と命名し, 病名を葉脈透化病とした。
- 日本植物病理学会の論文
- 1985-12-25
著者
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