Rhizoctonia solaniにおける DNA塩基配列の相同性 : V. 菌糸融合群第6群内における遺伝的類縁性 (昭和59年度日本植物病理学会大会講演要旨)

概要

論文の詳細を見る
Rhizoctonia solaniの菌糸融合群第6群 (AG-6) 内における菌株間の遺伝的類縁性を検討するため, DNA-DNA再会合反応速度解析に基づき, DNA塩基配列の相同性を比較した。その結果, AG-6は遺伝的に均一な菌株の一群と様々な遺伝的分化を示す菌株とから成ることがわかった。前者を AG-6 homogeneous group I (HG-I), 後者を AG-6 genotypic variation (GV)菌株とした。AG-6 HG-I菌株間相互のDNA相同性は91.8%〜97.7%, AG-6 GV菌林間相互では55.4%〜66.2%であった。また AG-6 HG-I菌株と AG-6 GV菌株間では47.5%〜62.9%であった。AG-6菌株間の遺伝的な多様性は菌休可溶性蛋白電気泳動パターンおよび培養型比較結果からもよく示された。以上の結果は, AG-6は遺伝的多型を示す群であり, 系統的には互いに近縁な菌株から成ることを示唆する。
日本植物病理学会の論文
1984-07-25