Aphanomyces euteiches の卵胞子発芽におよぼす光の影響
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概要
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わが国の5つの地域から分離した Aphanomyces euteiches 29菌株について, 暗黒下と白色螢光灯照射下においた卵胞子の発芽率を比較した。7菌株は光処理により著しく発芽が促進された。このうち2菌株 (AE-F10, AE-M3a) を用い卵胞子発芽におよぼす光の影響をさらに検討した。AE-F10卵胞子は10日間, 28Cで 2,000lux の光処理を行うと90%以上が発芽した。同じ条件で光処理を行わなかった時の発芽率は4%以下であった。また, 同菌株卵胞子は 50lux, 15日間の光処理で20%が発芽した。AE-M3a の卵胞子は光処理により発芽が促進されなかった。AE-F10 の卵胞子に5Cで10日間, 光処理を行った後, さらに28Cに移し10日間暗黒に保っと50%の発芽率が得られた。このことから, 卵胞子からの発芽には一定の温度を要するが, 光刺激は低温下でも有効であることが示された。AE-F10 の40日間の Corn meal broth 培養中に, 種々の期間光処理した培養から卵胞子を分離し, 暗黒下での発芽を調べた。培養開始から30日後までの間に光処理した培養からの卵胞子の発芽率は, 40日間暗黒に保った培養からの卵胞子の発芽率と差が認められなかった。培養30日後から40日の間に光処理した培養からの卵胞子の発芽率はやや高かった。光処理は, 成熟した卵胞子に対し発芽促進効果を持つことが示された。10〜150日暗黒下で加齢した AE-F10, AE-M3a 卵胞子の暗黒下での発芽率は大きな変動がなく, 常に低い発芽率を示した。
- 日本植物病理学会の論文
- 1983-01-25
著者
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