Verticillium dahliae Klebahn によるシナノキおよびヤマモミジの半身萎凋病(新称)について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1993年弘前市内でシナノキ(Tilia japonica)の一部の枝で芽の不発芽および発芽遅延がみられ, その後発芽, 展開した葉の多くは夏までには黄変, 落葉し, やがて細枝や小枝の枯死脱落する症状がみられた。また隣接したヤマモミジ(Acer palmatum)にも1994年11月以降, 葉の萎凋が認められ, しだいに小枝の先端から枯れ上がり, その後枯死部分はしだいに下方におよんだ。両樹の発病枝を横断あるいは縦断してみると導管部に褐変がみられた。そしてシナノキおよびヤマモミジの褐変導管部からは高率に同一種のVerticillium菌が分離された。本菌のPSA平面での菌叢は初め白色でのちに黒色となった。古い菌叢には微小菌核が形成され, 分生子柄の基部細胞は無色, 菌叢生育が30℃でも十分可能であった。以上のことから, 分離菌はVerticillium dahliae Klebahnと同定された。分離V. dahliaeはシナノキ, ヤマモミジのほか, ナス, トマトなど供試20種のうち18種の野菜や花卉に病原性を示した。今回シナノキおよびヤマモミジからV. dahliaeが分離され, 病原性が証明されたのは高木としてはわが国で初めての報告である。なお, 本菌によるシナノキおよびヤマモミジの病害を半身萎凋病と呼ぶことを提唱する。
- 1997-08-25
著者
関連論文
- リンドウにさび胞子世代を有するヌマガヤさび病菌Puccinia moliniae,特にリンドウが自生しないヌマガヤ湿原における発生特徴について
- (119) ユーカリにおける葉枯れ性病害の発生及び防除薬剤の検索(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (6)ヤマツツジモニリア病菌の完全世代(東北部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- (2)ヤマツツジのモニリア病(新称)
- Verticillium dahliae Klebahn によるシナノキおよびヤマモミジの半身萎凋病(新称)について
- (3) アルストロメリア(Alstroemeria spp.)のモザイク株から見い出された4種ウイルス (東北部会)
- 東京都立川市で発見されたイチョウ樹のてんぐ巣症状と2,3の原因調査試験(東北部会講演要旨,平成18年度地域部会講演要旨)
- (93) リンゴ黒点病菌偽子のう殻世代の越冬罹病落下果実上での確認(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (172) リンゴ黒点病菌子のう胞子の飛散消長(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (165)リンゴ黒点病の葉の病徴観察(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- キク白さび病菌に対する宿主抵抗性反応の組織学的観察(平成12年度 日本植物病理学会大会 講演要旨)
- (6) リンゴ輪紋病菌の果実感染後の挙動および果実発育に伴う内容成分の変化と発病 (東北部会講演要旨)
- (2) ミツバ(Cryptotaenia japonica)のモザイク株から見出されたPotyviridaeに属するウイルス (東北部会講演要旨)
- (6) エゾノギシギシから分離されたひも状ウイルスの塩基配列について (東北部会)
- (3) 本邦産ダイジョ (Dioscorea alata) のウイルス病について (東北部会)
- (265) エゾノギシギシから分離されたpotyvirusについて (日本植物病理大会)
- (18) リンゴ腐らん病に対する塗布剤の効果検定法 (東北部会)
- P-28 ニンニク《鱗片と皮》 : 機能性材料として(ポスター発表の部)
- リンゴ腐らん病(Valsa ceratosperma(Tode:Fr.)Maire)に関する研究
- (19) ブルーベリーの環紋葉枯病(新称)とその病原菌について(東北部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- クログワイの橙色斑点から分離された Nimbya scirpicola
- (13) 水田雑草クログワイの新病害 (秋季関東部会)
- (13) ミズバショウさび病菌の異種寄生性について (東北部会講演要旨)
- (25) エゾアジサイ新梢さび病(新称)およびエンレイソウ春さび病(新称)について (平成10年度東北部会)
- (1)シンネマ上にPestalotia型分生子を有する不完全糸状菌に起因するハクサンシャクナゲ先枯病(新称)
- 東北自動車道のり面のニセアカシア・イタチハギにおける炭そ病菌の潜在感染について(東北部会講演要旨)
- 日本菌類百選
- 青森県でヒメウスノキとウスノキに発生した裏白もち病について(東北部会講演要旨)
- (66) キンレンカ斑点病(新称)の発生(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (36) 宿根アスターおよびルリタマアザミの茎腐小粒菌核病の病原としてのSclerotinia minor(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (168) ルリタマアザミ茎腐小粒菌核病(新称)の発生(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 9 リンゴ果実上におけるマイコパラサイト現象解明研究(口頭発表の部)
- 10(B-6) マイコパラサイトLambertella sp.代謝物の構造、生合成、生物活性(口頭発表の部)
- (39)サンゴジュのいぼ皮病(新称)について(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (16) アオキのいぼ皮病 (新称) について (東北部会)
- Monilinia fructicolaによるブドウ果実の灰星病
- (14) ニンニクさび病菌(Puccinia allii)とニラさび病菌(Puccinia porri)の形態および寄生性について (東北部会講演要旨)
- (121)宿根アスター茎腐小粒菌核病菌Storomatinia sp.の培養性状と接種試験(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (177)Stromatinia sp.による宿根アスター茎腐小粒菌核病(新称)の発生
- (7) Verticillium dahliae によるシナノキ半身萎凋病(新称) (東北部会)
- (22) 日本新産種Valdensia heterodoxaによるブルーベリーバルデンシア葉枯病の発生(新称)(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- クロミサンザシ白粒葉枯病菌Mycopappus alniの5科の樹木に対する病原性と侵入部位
- 北海道において発生したナラ類白粒葉枯病(一般講演(口頭発表),第9回大会講演要旨)
- リンゴ樹から分離された糸状菌による腐らん病菌の生育抑制
- (7)エゾアジサイ新梢さび病菌の核学的観察(東北部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- 日本新産種 Ciliochorella castaneae (分生子果不完全菌類)の記載と Ciliochorella 属菌の分布および系統について
- シウリザクラ紅点病菌について(東北部会講演要旨,平成17年度地域部会講演要旨)
- (25) Pseudocercosporella smithiiによるクリンソウ葉枯病(新称)(東北部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- 67(P-53) ニンニクの生理活性物質(ポスター発表の部)
- (107)Fusarium spp.によるキビ白斑葉枯病(新称)(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (2) 青森県のニンニクモザイク株から分離されたニンニクモザイクウイルス(GMV)およびニンニク潜在ウイルス(GLV)の2,3の性質 (東北部会)
- (21) リンゴ品種ゴールデン・デリシャスの早期落葉について (東北部会)
- (88) リンゴ腐らん病菌の切込み焼傷接種法 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (78) 紫紋羽病菌Helicobasidium mompaの接種方法の改良 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (12) リンゴ疫病菌 Phytophthora syringae の卵胞子の発芽条件 (東北部会)
- (114) リンゴ灰星病菌(Monilinia fructigena)の実験室内における簡易分生胞子形成法 (日本植物病理大会)
- (15) 果樹灰星病菌4種の分生胞子の発芽性状について (東北部会)
- (10) リンゴ赤星病およびナシ赤星病に関する基礎的研究 : (10) リンゴ赤星病菌さび胞子の接種試験 (昭和63年度地域部会講演要旨(東北部会講演要旨))
- バ-ティシリウム属菌による樹木の病害 (特集:バ-ティシリウム病の現状と課題)
- Blastospora betulae によるヒノキアスナロ・クロベ天狗巣病罹病部の解剖学的観察
- 日本における果樹および森林樹木の病原菌の分類・同定に関する研究
- Mycosphaerella pomi (Passerini) Lindauによるセイヨウナシ黒点病(新称)
- (31) リンゴモニリア病菌(Monilinia mali)のアルビノ菌系の形態, 病原性および培養性質 (東北部会)
- リンゴ疫病菌Phytophthora syringae (Kleb.) Kleb.のリンゴ果実への侵入時間と侵入門戸
- (81) Phytophthora syringaeのリンゴ果実の侵入時間と侵入門戸 (日本植物病理大会)
- Phytophthora syringae (Kleb.) Kleb.によるリンゴ,ニホンナシ,およびセイヨウナシ果実の疫病
- (160) リンゴ園土壌から検出されるリンゴ疫病菌, Phytophthora syringaeとP. cactorumの時期的変動 (日本植物病理学会大会)
- (1) Phytophthora syringae (Kleb.) Kleb. によるナシ, セイヨウナシ果実の疫病 (新病害) (東北部会)
- 果樹類の本邦新灰星病菌について
- 人工培地におけるリンゴモニリア病菌の子のう盤形成
- 紫紋羽病菌および白紋羽病菌の生育におよぼすフルボ酸の影響
- 佐久間勉著, 『わが国における・果物生産を阻害してきた果樹病害-その史的考察』, A4版, 213頁, 発行 : 平成16年11月, (財)報農会受託刊行図書
- (26) リンドウさび病(新称)の発生とその病原菌について(東北部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- キク黒さび病菌の生活環
- (7) キク黒さび病菌の生活環 (東北部会)
- (222) アズキナシ褐色葉枯病(仮称)とマンサク褐色葉枯病(仮称)について (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (8)ホップおよびカラハナソウにおけるうどんこ病菌の発生について(東北部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- 紫紋羽病菌の接種方法の改良
- (250)サクラから分離されたPezicula corticolaの分生子及び子のう胞子による接種試験
- (7) サクラから分離されたPezicula corticola Nannfeldtの形態と培地上における光形態形成 (東北部会講演要旨)
- (23) サクラの胴枯症から分離された2種の分生子果形成菌類の接種試験 (東北部会)
- (19) リンゴおよびその他の果樹から分離されたBotryosphaeria spp.の核内rDNA ITS領域塩基配列の比較解析 (平成10年度東北部会)
- (17) リンゴおよびその他の樹種から分離されたBotryosphaeria spp. の核内リボソームDNAITS領域の構造解析 (東北部会)
- 穂ばらみ期注射接種によるイネ墨黒穂病の発病
- (4) 種孕期注射接種によるイネ墨黒穂病の発病 (東北部会)
- (111) マユミの白点病(新称)およびトチノキの大形輪紋病(新称) (日本植物病理大会)
- Mycosphaerella pomi (Passerini) Lindauによるマルメロ黒点病(新称)
- (110)リンゴ黒点病菌(Mycosphaerella pomi)のCylindrosporium型分生子の伝染源としての可能性(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (366) 青森県におけるニンニクさび病菌Puccinia alliiの伝染環 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (72)ニンニクおよびネギさび病菌夏胞子世代の越冬(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (67) ニンニクさび病菌Puccinia alliiの夏胞子および冬胞子の発芽特性と病原性 (日本植物病理大会)
- (112) 大分県に発生したウメ灰星病の病原菌について (平成2年度大会講演要旨)
- (11) シウリザクラ葉腐病菌(Monilia sp.)の完全時代について (東北部会講演要旨)
- リンゴ灰星病菌Monilinia fructigenaの菌核に対するチャイロミ菌核病菌Lambertella corni-marisの寄生現象
- (104)ラッキョウさび病菌の形態および寄生性(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (32) フクジュソウさび病菌の異種寄生性 (平成10年度東北部会)
- (29) フクジュソウさび病(新称)の発生 (東北部会)
- 札幌市北大農学部附属植物園に発生したバラのさび病について
- (5) 札幌市北大農学部付属植物園に発生したバラのさび病について (東北部会)
- わが国のコリウス(Coleus blumei Benth.)から検出されたウイロイドの全塩基配列と宿主範囲