キウイフルーツ花腐細菌病の発生生態 : 1. 花腐細菌病菌に対する花蕾の時期別感受性
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概要
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1990年から1992年の3ヵ年間, 雨除け栽培のキウイフルーツ花蕾へ花腐細菌病菌 (Pseudomonas syringae) を4月から5月にかけて6ないし8回接種し, 接種した花蕾のがく裂開日, 開花日, 接種時の花蕾発育程度および発病の有無を調査し, 接種から開花までの日数, 接種からがく裂開までの日数および接種時の花蕾発育程度と発病との関係を検討した。接種から開花までの日数では開花前の10日から19日の発病が高く, 接種からがく裂開までの日数ではがく裂開前の10日間の発病が有意に高くなった。がく裂開から開花までの平均日数は約10日であった。花蕾の発育程度ではがく裂開段階までの発病が高く, それ以降低下した。これらのことより, 花蕾の感受性は開花前の10から19日が最も高く, この時期はがく裂開前の10日間であり, 発病にはがく裂開前に病原細菌が花蕾に定着するとともに, がく裂開段階までの花蕾内で病原細菌が増加していることが必要であると考えられた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1996-10-25
著者
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