Rubyによる地球・惑星流体科学のためのプログラミング環境の開発
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
地球・惑星流体科学において扱われるデータの多くは,離散的にサンプルされるか,広い意味で格子点上に離散化された物理量である.データの形式には,標準的なものでもいくつもあるため,オブジェクト指向のアプローチが有効である.ところで,研究のためのデータ解析においでは,自由に新しい手法を開発,適用,さらに蓄積する必要があるため,(GUIよりも)プログラミングを通してデータを扱うことが必要となる.そのため,オブジェクト指向であることに加えて,エンドユーザ(すなわち研究者)が日常的にプログラミングを行うということから,素早い開発に適した言語が求められる.しかしながら,現状ではそのような言語は,まだ研究の現場ではほとんど用いられていない.我々は,オブジェクト指向スクリプト言語Rubyをこの目的で用いることができるようにするために,基礎となる数学・可視化ライブラリ等の組込みを行い,さらに,「離散化された物理量」のクラスを中心とするライブラリを開発している.この物理量クラスは,計算機上のデータの実体を隠蔽しつつ,当該分野における物理量のデータをできるだけ広くカバーするよう工夫されている.これをデータの解析・可視化対象の単位とすることで,1つのデータ形式に限ってもプログラム開発効率が向上するだけでなく,研究者がしばしば直面する,複数の形式のデータへの対応も簡単に行えることを,いくつかの実例から示す.将来の発展としては,ネットワーク上に分散した巨大なデータセットを,少ない開発コストで扱えるプログラミング環境を構築することを目指している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2002-09-15
著者
関連論文
- 第23回国際測地学・地球物理学連合総会 : (IUGG2003・札幌)の報告(3)
- 金星の雲の形態学(金星研究の新展開)
- P354 子午面流中の赤道波による運動量輸送の一般論
- D310 金星のケルビン波と雲模様の力学(大気力学・中層大気)
- 金星のケルビン波と雲模様の力学
- 11.JSM26:上部対流圏・下部成層圏における化学と輸送(第22回国際測地学地球物理学連合総会(IUGG99)報告(1))
- 多次元配列 NumArray および Ruby/DCL を用いた描画ライブラリの開発
- 第10回大気・海洋の波と安定性に関する研究集会の報告
- 第22回国際測地学地球物理学連合総会(IUGG99)報告(1)
- 8.気候モデルの評価 : モデルは観測をどれだけ再現するか(第23回国際測地学・地球物理学連合総会(IUGG2003・札幌)の報告(3))
- D308 積雲対流による重力波の励起と中間圏界面付近における砕波の数値実験(大気力学・中層大気)
- Rubyによる地球・惑星流体科学のためのプログラミング環境の開発
- 熱帯の降雨の変動成分 : 赤外画像からの波動励起推定法の検討
- 赤道域積雲対流起源大気重力波の中層大気への伝播(3次元数値実験から)
- 赤道域積雲対流によって励起される大気重力波の数値実験
- 様々な中層大気GCM中の低緯度の波動の解析
- 偏東風波動、モンスーン低気圧、熱帯低気圧型擾乱の力学について
- 7.MW01:対流圏-成層圏のGCM相互比較(第22回国際測地学地球物理学連合総会(IUGG99)報告(1))
- 積雲パラメタリゼーションと波動励起
- 総観規模ロスビー波と大気の南北輸送ルートの地理的分布
- 第1回SPARC国際研究集会の報告
- 第8回日本気象学会夏期特別セミナー(若手会夏の学校)の報告