WordNetの同義語クラスとその上位関係を利用した文書の自動分類

概要

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本稿では,WordNetと呼ばれるシソーラス辞書から対象とする文書の分類に必要な同義語クラスとその上位関係を機械学習により学習し,その結果を用いてテスト文書を分類する手法の1つを提案する.提案手法の主旨は,シソーラス辞書で意味クラスごとに定義されている同義語クラスの上位関係の深さを一意に固定して学習するのではなく,語彙の意味クラスごとに分けて学習するということである.文書分類の代表的なベンチマークの1つであるReuters-21578を用いて実験を行った結果,1)WordNetで定義されている25種類の意味クラスのうち,Reuters-21578の分類精度に貢献した意味クラスは10種類であり,`abstraction',`activity',`entity',`group',`object',`phenomenon',`posession',`psy_feature',`relation',および`substance'である,2)90分野中,上位関係の学習により精度が向上した分野は68分野であり,1分野あたりの訓練データ数が比較的少ない分野に対して有効に働く,3)同義語クラスの上位関係の深さを一意に固定して学習した場合には,WordNetを利用しない方法よりも精度が下がることが明らかになった。
2002-06-15