通信ソフトウェア向き設計支援環境
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概要
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企業内情報網やISDNなどの進展に伴う通信ソフトウェアの大規模化や多様化・複雑化の傾向に対応するため,その生産性や品質の大幅な向上が重要な課題となっている.以上の背景から本稿では通信ソフトウェア向けCASE環境,特に設計支援環境という課題について述べる.上流工程の問題として,仕様の記述形式や抽象化レベルが作業者ごとに一意ではないために様々な認識ギャップが存在する点が挙げられる.現在広く研究開発されているCASEでも,その多くは仕様記述の抽象化レベルが任意であるために支援効果が作業者に依存し,上述の問題に対して十分とは言えない.本稿では,上流工程において作業者が所定の時期に所定の抽象化レベルで一意に仕様の詳細化ができるような,ガイダンスに基づく設計支援方式を提案する.本アプローチをMRV(Multi-layered Refinement by Views)と呼び,大規模ソフトウェア開発のライフサイクルモデルとして一般的なV字型曲線に基づき仕様詳細化過程の抽象化レベルを多段階に分割することを基本とする.また,各段階内および段階間の詳細化のガイダンスと連続性を保証する仕組みの概念としてピューを導入した.本方式の目的は,ヒューマンファクタの影響を低減し上流工程における品質と生産性を上させることにある.本方式はYDS(YACII-oriented Design System)として実現され実際の開発に適用されており,最後にその評価と課題を述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-07-15
著者
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深尾 至
富士通北海道通信システム(株)
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西山 好雄
富士通(株)
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藤本 洋
富士通(株)
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西山 好雄
富士通株式会社
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豊島 康文
フジツウアメリカ
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深尾 至
富士通(株)通信事業推進本部ソフトウェア開発部ソフトウェア技術部
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藤本 洋
富士通(株)交換事業本部復合交換機事業部
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