計算機マニュアル推敲・査読支援システムMAPLEの開発と運用
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概要
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大型汎用機マニュアルの品質と生産性の向上を目的として,マニュアル推敲・査読支援システムMAPLEを開発した.著者の勤務する富士通では,従来実施してきたマニュアルの品質改善活動の中で蓄えてきたノウハウや規格類を集大成してマニュアル作成システムTDSを構築している・TDSは,マニュアルに記述する情報を決定するための設計技術,文書表現の品質確保のための執筆・査銃技術の2つの方法論から構成されている.執筆・査読技術には,文奮の体裁規格,文字・用語の規格,分かりやすさのノウハウが多量にあり,これらを実際に適用し,文書表現の品質を確保するためには計算機による推敲・査読支援がもっとも直接的で効果があると判断した.推敲・査読支援システムは,自然言語の解析部分として日英翻訳支援システムATLASの一部を部品化し,TDSに蓄積した文書表現上の規格やノウハウを定量化(数値化またはルール化)し,さらに品質評価を柔軟に行う仕組みとしてエキスパートシステム構築支援機能ESHELL/Xを利用して開発した.また,体裁の正しさ,用語の適切さおよび分かりやすさの評価式を考案してマニュアルの客観的採点を可能にした.特に,分かりやすさの概念は理解しやすさ,読みやすさ,および使いやすさに分けて評価た.本システムはプロトタイプ版の試用と試用結果に基づく改良のプロセスを経てマニュアル開発現場で利用され,査読作業の省力化,単純ミスの防止に貢献し,さらにマニュアル品質の目標管理に利用されている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-07-15
著者
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高橋 善文
富士通(株)沼津工場ソフトウェア技術部
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吉田 哲三
富士通(株)沼津工場ソフトウェア技術部
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高橋 善文
富士通(株)ミドルウェア事業本部第三ミドルウェア事業部ソフトウェア技術部
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吉田 哲三
富士通(株)
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