並列化支援環境 PCASE における分散メモリ対応機能
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概要
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本論文では,現在われわれが開発している並列化支援環境PCASE(Parallelizing CASE)について主に分散メモリマシンを対象とした機能を述べる.PCASEはFortranプロラグラムの並列化作業を支援するためのシステムであり,グラフィック・ユーザインタフェースを備えた対話型並列化支援ツールXpallasと,SPMD(Single-Program Multiple-Data)モデルに基づく並列プログラムを生成するトランスレータDCM(Data distribution & Communication Manager)とからなる.Xpallasはデータ依存関係解析に基づいてDOループの並列性を抽出すると共に,階層メモリマシンを仮定してデータ転送の解析を行う.一方,DCMではXpallasが抽出したデータ転送とユーザが指示するデータの分散配置情報から,分散メモリマシン上でイタレーションマッピング,および実行時制御に基づくデータ転送コード/同期コードの生成を行い,対像マシン上で動作可能な並列プログラムを自動生成する.われわれは,PCASEを当社で開発した分散共有メモリマシンCenju2にインプリメントするため,分散メモリマシン対応のDCMのプロトタイプとしてCenju2-DCMを開発し,Cenju2プロトタイプ(16台構成)上で評価を行った.その結果,SCG(Scaled Conjugate Grandient)法を用いたPoisson solverのプログラム(問題サイズ:60×60×60)において,ユーザが配列の分散配置を指定した場合に,16台で約11倍の性能向上を得た.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-04-15
著者
-
妹尾 義樹
日本電気(株)C&C研究所
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蒲池 恒彦
新情報処理開発機構並列分散システムNEC研究室
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蒲池 恒彦
日本電気(株)インターネットシステム研究所
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妹尾 義樹
日本電気(株)インターネットシステム研究所
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