オブジェクト指向システム用軽量ケーパビリティプロテクション方式
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概要
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オブジェクト指向システムの性能をできるだけ損なわずに強固なメモリプロテクションを行う軽量ケーパビリティプロテクション方式(Lightweight Capability-Based Protection Scheme:LCP)を提案する.LCPは従来のケーパビリティ方式に対して以下の特徴を持つ.(1)仮想記憶方式をベースとするケーパビリティの限定適用:メモリプロテクション機構として効率の良い仮想記憶方式をベースに,バグ等により不正アクセスを行う可能性の高いアプリケーション(AP)スレッドと,不正アクセスを受ける可能性が高いメッセージバッファ(MB)にケーパビリティを限定適用する.(2)スレッドIDによるチェック:APスレッドとMBとの対応付けを,ケーパビリティ内に含ませたスレッドIDで行う.これにより,APスレッドが切り替わる度にケーパビリティを入れ替えるだけで対応がとれる.(3)メモリアクセスとチェックの並行実行:メモリアクセスと並行してケーパビリティチェックを行い,チェックによるメモリアクセスタイムの増加を回避する.以上の処理オーバヘッドの少ないLCPについて実現アルゴリズム,ハードウェア/ソフトウェアインプリメンテーション方法を述べる.また,性能および信頼性の評価を行い,実用的な一例ではLCPを使用しない方式(仮想記憶のみの方式)に比べて実行時オーバヘッドは2%増程度で,MBへの不正アクセスはほぼ100%近く検出できることを述べている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-09-15
著者
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