並列オブジェクト指向言語 COOL
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概要
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電話交換機のプログラムを始めとする実時間多重処理プログラムは,高効率が要求される大規模・複雑・長寿命かつ頻繁に機能追加が行われるシステムである.また,Intelligent Networkやパーソナル移動通信などに見られるように通信網ワイドの分散処理など新しい機能が要求されてきており,プログラムの拡張性・保守性の向上と分散処理能力が求められている.このためには,多重処理・分散処理の効率的な実現が可能なオブジェクト指向モデルと,大規模システム記述に適したモジュール化とコンパイル時エラーチェック能力を持つオブジェクト指向言語が望まれる.本論文では,実時間多重処理システムには,能動オブジェクトと受動オブジェクトからなる並列オブジェクトモデルが適することと,このモデルを簡潔に実現した実時間オブジェクト指向言語COOLを述べる.COOLは強タイプ付のシンプルな言語であり,能動オブジェクト・受動オブジェクトともデータタイプとして定義される.これは実行効率,読解性,コンパイル時チェック強化に資する.能動・受動の両オブジェクトの統一的設計により容易に適切な活用が可能である.仕様と本体に分けたモジュール機構は大規模システムの構築に効果が高い.グローバルオブジェクトIDにより,分散を意識することなく分散処理を記述できる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-05-15
著者
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