日韓機械翻訳における否定文の処理
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概要
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日本語と韓国語は語順が同じであるなど文法的な面で類似点が多い.しかし,日韓機械翻訳を行うに際して,単純に日本語と韓国語の単語を直接対応づけるだけでは,述部に不自然な訳文が生成されることが多い.特に,否定文の訳文は不自然である.否定を表す「ない」,「ん(ぬ)」が使われている日本語の述部は,韓国語では,否定表現(否定素と否定補助用言)を用いた否定文,または対立語を用いた肯定文に訳される.しかも,丁寧と否定の意味を表す助動詞が使われた日本語の述部とは,表現順序が異なる.そこで,著者らは,韓国語の用言の多様性に対処するために考案した翻訳テーブルを用いた日韓機械翻訳システムに,以下の処理を補完し,否定語が使われている日本語の述部の翻訳処理を試みた.(1)韓国語の否定の多様性:野本語の否定文を韓国語に訳すときには,まず,否定文,または肯定文のいずれに翻訳するかを判別する.(1)否定文の場合は,適切な韓国語の否定補助用言を選択するルールを用いる,(2)肯定文の場合は,対立語を用いた肯定文に変換するルールを用いる.(2)表現順序の違い:両国語間の表現順序の違いが生じるのは,助動詞「ます」と「ん」が同時に使われた場合である.この場合,丁寧を表す助動詞「ます」の訳語に否定と丁寧を同時に表す訳語を登録し,韓国語の表現順序に合わせるようにする.その結果,否定語が使われている日本語の述部を自然な韓国語に翻訳することが可能になり,日韓機械翻訳にとって大きな問題であった述部の翻訳精度をより向上できた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-05-15
著者
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