ホップフィールド型ニューラルネットワークを用いたタンパク質βシート予測
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概要
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アミノ酸配列から2次構造の予測を行う様々な手法が研究されてきたが, βシートの予測が難しいために, 1つのテスト配列からの2次構造予測の最高は66%止まりである.本研究では, βシートに対する高い予測精度を目的とした.そのためにまず, タンパク質立体構造のデータベースよりβシートを構成する3残基の部分配列ペアの出現頻度から, βシート中の3残基列-3残基列ペア傾向指数を求めた.テスト配列に対して可能なすべての3残基列-3残基列ペアに対してβシートを構成するか否かを傾向指数を用いて判定し, βシート予測を行った.本手法では, すべての組合せに対して判定するので従来法では見つけることができなかったβシートを予測可能である.しかしながら, 欠点として, 立体構造の制約の観点より実際のタンパク質ではありえない予測も含まれる.そこで, 実際のタンパク質に内在する立体構造に関する制約を表現し, かつなるべく長いβシートを選択できるようなエネルギー関数を持つホップフィールド型ニューラルネットワークを用いて, 3残基列-3残基列ペア傾向指数で得られた予測結果を補正した.なるべく長いβシートを選択すると, βシートが必要以上に長くなり, 予測精度が低下する.その対策として, βシートの区切りを明確にするために, Gemanら(1984)が提案しているLine Processに似た変数を導入した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-09-15
著者
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麻生川 稔
日本電気株式会社C&Cメディア研究所
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麻生川 稔
日本電気株式会社c&cメディア研究所
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麻生川 稔
日本電気(株)基礎・環境研究所
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麻生川 稔
日本電気(株)c&cシステム研究所
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麻生川 稔
Nec C&cシステム研究所
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麻生川 稔
日本電気(株)c&c研究所コンピュータシステム研究部
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麻生川 稔
日本電気(株)基礎研究所
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