ハイパーキューブ網の有向グラフ上に構成されるデッドロックフリーなルーティング方式
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概要
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並列処理マシンの有力な接続網であるハイパーキューブ網では,ルーティング方式として最下位ビット優先法(e-cube法)が利用されている.また,一般的なデッドロック防止法としては構造化バッファプール法や仮想チャネル法が知られている.本論文では,ハイパーキューブ網の有向グラフ化によりノード集合全体に順序関係を導入し,デッドロックフリーを保証する新たなルーティング方式(K-法)を提案する.ここでは経路として最短かつ半順方向パスを選択するルーティング関数が,下位次元パスの同形写像を用い,次元数nに関し帰納的に決められる.Kー法の通信性能に関連する特性を考察し,(1)経路分布における不均衡性,(2)通信用バッファの効率的な構成法(バーチャルnーキュ,1キュ),(3)パケットフロー制御の優先度決定法(巡回,到着順)について述べる.そしてランダムドラフィックのパケット通信における通信性能(スループット,平均遅延)をシミュレーションにより定量的に調べ,通信手順として1キュ構成の到着順方式が適していること,キュの深さはnの近傍で限界値に収束することを示す.さらに,規則的および不規則的な通信パターンにおいて,e-cube法と比較し,K-法がより優れた通信スループットを達成することを明らかにする.また,K-法のルーティング方式としての位置付けと今後の課題について報告する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-02-15
著者
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和宇慶 康
沖電気工業株式会社研究開発本部マルチメディア研究所
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大宅 伊久雄
沖電気工業
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大宅 伊久雄
沖電気工業株式会社研究開発本部マルチメディア研究所
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小山 法孝
沖電気工業株式会社研究開発本部マルチメディア研究所
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