スペースZ-バッファ:安定で高速な隠線・隠面消去二次元スペースモデルの応用
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概要
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従来隠面消去方式としてはピクセル対応のZ-バッファ法が定着している. しかし, ピクセル単位のため面や辺の取扱いには適せず, ペンプロッタで線画が描けない, マウスによる図形ピックが困難等の問題があった. 一方, ペンプロッタ用には, 別プログラムで稜線と全物体面の組合せについて不可視数等の隠蔽関係を調べる方法があったが, 図形数 N に対して処理時間がO(N^2)となり, 大規模データではバケット法など画面分割が必要であった. また計算誤差で可視判定が混乱して不正な表示をしたり, 図形のトポロジーが矛盾して不安定化する問題もあった. 今回スクリーン図形の内部表現として, スクリーン表示形式とは独立のスクリーン・バッファをスペースモデルのデータ構造で構成し, 可視データだけを面と辺の形で保持する隠面・隠線消去両用方式を考案し, 問題点を解決した. 試作結果, 従来の専用ハード化したピクセル対応Z-バッファよりは遅いが, 道しるべ法により画面分割なしでO(N)の速度が確認できた. 不正表示については, 本方式では入力面が重なり部分ごとの小区画に分割されることを利用して, 誤りを実用範囲まで削減できた. またトポロジーの矛盾については, ポインターでトポロジーを表現し管理する方式で解決した. その他, 本方式はピクセルやスキャンラインと独立のため解像度の問題がない, データ構造が図形集合演算等, 各種の図形処理に適した汎用性を持つ等の特徴も備えている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-04-15
著者
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