三次元スペース・モデリングの考察 : 局所的図形論理, 衝突検出, 隠面消去の一貫高速処理
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概要
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CAD等の分野で三次元図形情報をあいまいさなく表現する手法として, ソリッド・モデルが提案され, 各方面で開発・実用化が進みつつある. しかし, これら従来の手法では処理時間が全体図形規模に依存して増大することが, 機械, 建築等大規模図形処理実現のための大きな障害となっていた. 本方式のねらいは, 別論文, (本号同時掲載)で述べた二次元スペース・モデルを三次元に拡張することにより, 上記問題の解決を図ることである. 三次元部分空間をポインタの組で表現する方法により, 例外的な場合を除き, 必要部分に限定する局所的図形処理が実現する. 三次元局所的図形論理演算(AND, OR等)により図形加工, 干渉チェック等が例外的な場合を除きO(N^o)の処理時間で可能となる(Nは総図形頂点数). また二次元と同様運動図形の衝突検出処理もO(N^o)で実現するので, NCカッターパス, ロボット, 装置組立のシミュレーション等に有用と思われる. 図形表示においては, 隣接空間検索機能を活用して新たに考案した可視空間追跡法により, 隠面消去処理を画面に表示される領域に限定して実行できる. これも同じく例外的な場合を除きO(N^o)の処理である. また, 本方式は点, 折れ線, 面, 凹凸多面体, 多種材質モザイック状図形, 曲線, 曲面, 等各種図形に適用できる. さらにデータベースに図形1個を追加・削除する時間は同じくO(N^o), データベース初期生成はO(N), メモリ所要量はO(N)であるから, 本方式は汎用的な図形処理システムの基本方式として利用できる可能性があると思われる.
- 1986-12-15
著者
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