(8)2001年と2002年に長崎県島原地方で分離されたジャガイモ疫病菌の系統について
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概要
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2001年および2002年の春作時に,長崎県島原地方の農家圃場のジャガイモからジャガイモ疫病菌を分離した.2001年は7町の14圃場から49菌株を,2002年は島原地方全市町の118圃場から118菌株を得た.各菌株について,交配型,ジャガイモ塊茎スライス上の気中菌糸の長さ,オートミール培地上の生育,メタラキシル耐性,グルコース-6-ホスフェートイソメラーゼ(Gpi)の酵素多型を調査した.2002年に分離された菌株のA1およびA2交配型の割合はそれぞれ66%,34%であった.Gpi多型の結果,A1型のすべての菌株がUS-1系統と異なる系統であった.さらに,オートミール培地上の菌糸生育とメタラキシル耐性の結果,A1型の7割以上がA系統(加藤ら,2002)に属する可能性が示唆された.分離菌株のうちメタラキシル耐性菌(EC_50値が10ppm以上)の割合は58%,弱耐性菌(同1〜10ppm)は20%で,感受性菌は23%であり,感受性菌の93%はA2型に属した.2001年の分離菌株もほぼ同様の傾向であった.
- 2003-02-25
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