(10)ハウスミカンに発生したAspergillus flavusによるこうじかび病(病原菌追加)
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概要
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2001年7〜8月,収穫後および出荷後のハウスミカンに原因不明の果実腐敗が発生して問題になった.初期症状として果実に水浸状の病斑が形成され,その後徐々に拡大し,やや黄色味を帯びて腐敗軟化し,病斑上に緑色,粉状の胞子を生じた.腐敗部からはAspergillus sp.のみが分離された.本菌の分生胞子懸濁液を温州ミカンの成熟果に有傷接種すると病徴が再現され,接種菌が再分離された.症状は30℃以上の高温域で激しく,20℃以下では発病しなかった.本菌の分生子頭は明黄緑色,Czapek寒天培地および麦芽エキス寒天培地上で菌糸生育ならびに胞子形成が良好で,分生子は球形〜亜球形,表面は平滑で平均径4.8μm.菌そう生育は15〜45℃でみられ,好適温度は30〜35℃.以上の結果から,本菌をAspergillus flavus Linkと同定し,カンキツこうじかび病の新たな病原として追加する.本菌の薬剤感受性はベノミルに対しては高かったが,イミノクタジン酢酸塩に対しては低く,同剤400μg/ml添加培地上でも菌そう生育が認められた.
- 2003-02-25
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