気温変動がイネいもち病菌の葉身への侵入と発病に及ぼす影響 I. 接種前および接種後の温度変動がいもち病の発病に及ぼす影響
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概要
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いもち病菌接種前および接種後に罹病性品種愛知旭を23/15C・23/15C (接種前昼/夜処理温度・接種後昼/夜処理温度), 29/21C・29/21C, 23/15C・29/21Cと29/21C・23/15Cの異なる温度条件下に置き, 第4葉期幼苗に接種し, 病徴発現に及ぼす温度の影響を調べた。形成された罹病性病斑数は接種前29/21C・接種後23/15C処理区で他の温度処理区よりも多かったが, 全処理期間が長いほど病斑数が漸減した。一方, 接種前23/15C・接種後29/21C処理区では, 全処理期間が長いほど病斑数が漸増した。接種72・96・120時間後の侵入率を調査した結果, 処理温度と処理期間による一定の傾向は認められなかったが, 接種120時間後まで侵入率が増加する傾向があった。侵入後の菌糸伸展・被侵入細胞数の増大は処理温度によって大きく影響され, 接種後29/21C処理区では接種96時間以降に著しい増加が観察されたが, 接種後23/15C処理区では接種時点から120時間目になっても菌糸伸展・被侵入細胞数の増加が強く抑えられることを認めた。従って, 低温環境下での病徴発現の遅れは侵入菌糸の増殖活動の抑制によることが明らかとなった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1986-04-25
著者
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