地球シミュレータのMPI性能評価(高性能アーキテクチャ)
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概要
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地球変動研究のための超大規模科学技術計算向けプラットフォームとして,地球シミュレータが開発された.分散メモリ型並列計算機である地球シミュレータ上で並列プログラムを効率的に実行するには,プログラム内部での通信処理の効率化が必要で,そのためには事前の通信性能評価が不可欠である.地球シミュレータでは通信用ライブラリとしてMPIが提供されるので,MPIの通信性能を詳細かつ多角的に計測するMBLを用いて,地球シミュレータのMPIの性能計測と評価を行った.その結果,ping-pong通信の最大スループットはノード内で14.8GB/s,ノード間で11.8GB/sであることを確認した.主要MPI関数のレイテンシは,MPI_Send関数が5.58マイクロ秒,MPI_Put関数が6.36マイクロ秒であった.また512ノード実行で各ノードに1MPIプロセスを生成した場合,MPI_Barrier関数の処理時間は3.25マイクロ秒,MPI_Win_fence関数の処理時間は223.75マイクロ秒であった.これらの計測結果から,地球シミュレータのMPIが良好な性能を持つことが確認された.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2003-01-15
著者
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横川 三津夫
日本原子力研究所計算科学技術推進センター
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横川 三津夫
日本原子力研究所:(現)産業技術総合研究所グリッド研究センター
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板倉 憲一
海洋科学技術センター地球シミュレータセンター
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上原 均
海洋科学技術センター地球シミュレータセンター
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田村 正典
株式会社日本電気第1コンピュータソフトウェア事業部
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横川 三津夫
理化学研究所計算科学研究機構
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横川 三津夫
日本原子力研究所
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板倉 憲一
独立行政法人海洋研究開発機構
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横川 三津夫
独立行政法人理化学研究所
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