ジャスト・イン・タイムの空間的含意 : 欧米の経済地理学の研究から
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概要
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欧米の経済地理学研究において,1980年代後半から90年代前半にかけて,ジャスト・イン・タイム(JIT)に言及する研究が数多く見られた.そこでは,フォーディズムの終焉を背景とする諸研究のなかで,Scottの「垂直的分割」の概念などが提唱されたことが,いっそう地理学者のJITに対する関心を鼓舞した.JITがカスタマー周辺へのサプライヤーの集積を招くかどうかという空間的含意について,多くの研究が発表された.それらの諸研究を展望し,集積要因と分散要因を類型化した.またBoyerが主張するように,JITは地域の状況に埋め込まれて,多様に進化しつつある諸制度の1つとして,見なされるようになった.そのため,国・地域の実情に応じて,JITは修正され,多様な空間的展開を示すという学説が示された.さらに欧米各国へのJIT導入に関する実証研究を展望し,欧州と米国におけるJIT実施の空間的展開の違いを明らかにした.
- 経済地理学会の論文
- 2004-03-30
著者
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