973. 過去 210, 000 年間における半深海性有孔虫群集変化 : 南琉球弧・石垣島南方沖ピストンコアからの情報
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概要
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石垣島南方の琉球海溝に望む先島深海平坦面上の水深2, 488mと同外縁部の水深3, 136mからピストン・コアRN87-PC4とRN87-PC5を採取した。浮遊性有孔虫Globigerinoides sacculiferの殻を用いた酸素同位体年代区分は, 阿多火山灰層の年代や二つの微古生物層序イヴェントに対しても調和的であり, RN87-PC4は酸素同位体ステージ(1)から(5)まで, RN87-PC5は(5)から(7)までをカバーしている点を明らかにした。RN87-PC5において(5)上部以上が欠けていることは, 先島深海平坦面外縁部に沿って大西洋と同様にWestern Boundary Undercurrentが存在している可能性を示唆するものである。こうして得られた過去210, 000年間の時系列について, 底生有孔虫の優勢種(いずれかのサンプルで3%を越える種)32の産出量変化を求めた。特に強調すべき点は, Alabamina? rugosaと傾向がより顕著ではないがPulleniella asymmetricaの産出量が, 表層水温の変化に対応していることと, Bulimina aculeataが最終氷期(酸素同位体ステージ(2))に特徴的に産出することである。
- 日本古生物学会の論文
- 1994-09-30
著者
-
氏家 宏
Department of Marine Sciences, University of the Ryukyus
-
氏家 宏
Department Of Marine Sciences University Of The Ryukyus
-
徐 学東
Department Of Earth Sciences Faculty Of Science Kumamoto University
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