732. 北海道東部釧路炭田, 音別層群大曲層からの Clinocardium の一新種
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概要
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音別層群(漸新世)は下部から大曲層, 茶路層, 縫別層の三層に区分され, 幌内動物群(MIZUNO, 1964)と呼ばれる多くの特徴的な軟体動物化石群を産する。釧路炭田西部の常室地域の大曲層は主に細粒砂岩, 灰色砂質シルト岩から成り, Yoldia laudabilis, Portlandia watasei, Acila brevis, Venericardia laxata, Conchocele bisecta, Periploma besshoense, Turritella poronaiensis, "Ampullina" asagaiensisなどの海棲軟体動物化石を産する (YUI, 1975MS)。筆者は大曲層の灰色砂質シルト岩, 細粒砂岩, 灰色シルト岩中の20産地からYUI (1975MS)によって採集された419個体の標本に基づき, Clinocardiumの一新種を記載し, 報告する。本新種は常磐炭田の内郷層群浅貝層および石城層から記載されている, Clinocardium asagaiense asagaiense, C. asagaiense arakawae, C. asagaiense makiyamaeなどと類似するが, 放射肋の数, 外形, 放射肋と放射肋間の比率などが異なる点で区別される。従来, 釧路炭田の浦幌層群及び音別層群からは, C. asagaiense, C. cf. asagaiense及びC. kushiroense KANNO (nom. nud.)が報告されているが, 図示された標本はなく, これらの種の両層群からの産出については再検討を要する。
- 日本古生物学会の論文
- 1981-07-15
著者
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