726. 北海道東部釧路炭田浦幌層群産シジミ科 (斧足類) 化石
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概要
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釧路炭田に発達する古第三系は下位の浦幌層群と上位の音別層群とに区分される。釧路炭田西部の音別地域に分布する浦幌層群は下位から留真層, 雄別層, 舌辛層, 尺別層の四層に区分され, 礫岩, 砂岩, シルト岩などから成り, 炭層を挾在する。各層からは浅海ないし汽水生の軟体動物化石を多産し, 上部石狩動物群(MIZUNO, 1964)と呼ばれシジミ科(Corbiculidae)は代表的な非海生軟体動物化石の一つである。筆者はCorbicula (Batissa) sitakaraensis, C. (Corbicula) tokudaiの二種の記載を行ない, C. (Corbicula) kotakai, n. sp.を新種として記載した。Corbicula sitakaraensisはOstrea eorivularis, Mytilus mabuchii, Nemocardium ezoense, "Ampullina" asagaiensisなどの浅海ないし汽水性の種と共産する。C. tokudaiは通常, 他種を随伴せず, C. kotakai, n. sp.は随伴種を持たない。これら三種の随伴種, 現生のBatissa及びCorbicula亜属の生息環境から, C. sitakaraensisは汽水性の, C. tokudai及びC. kotakai, n. sp.は汽水〜淡水性の種であり, 前者は後二者よりもより高鹹水性の種と考えられる。
- 日本古生物学会の論文
- 1981-04-30
著者
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