空手道選手の急速減量による体水分,身体組成,および運動機能の変化

概要

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本件急では,空手道選手の急速減量による体水分量,身体組成および運動機能の変化を検討した。なお,体水分量および身体組成の測定にはバイオインピーダンス測定装置4000C(ザイトロテクノロジー社製)を用いた。1)減量後の体重,除脂肪量(FFM),および脂肪量(FM)は,減量前と回復期よりも有意に減少した。体重は,減量後に3.2kg(平常体重の4.5%)減少し,その内訳はFFMの2.1kgとFMの1.2kgであった。しかし,体脂肪率(%Fat)には有意な差が認められなかった。また,減量前と回復期の体重,FFM,FM,および%Fatには,有意な差は認められなかった。2)減量後の体水分量(TBW)および細胞外液(ECW)は減量前と回復期より有意に減少したが、細胞内液(ICW)には明らかな差はなかった。3)減量前後および回復期における最大負荷運動後の体重は,有意に減少した。しかし,運動前後におけるTBWに対するICWおよびECWの比には,有意な差は認められなかった。また,右大腿部のICW+ICWに対するICWおよびECWの比にも,有意な差は認められなかった。4)血液検査では,減量後の総タンパク(TP),アルビミン(ALB),および血液尿素窒素(BUN)が減量前と回復期より有意に高値を示し,グルコース(GLU)が低値を示した。5)膝伸展および膝屈曲筋力では,等尺性と等速性筋力とともに減量前後および回復期のすべてにおいて明らかな変化は認められなかった。しかし,減量後の最大運動時間は,減量前と回復期よりも有意に短縮された。6)POMSでは,減量後における「疲労」の因子が,減量前と回復期に比べて有意に高値であった。以上の結果から,体重の5%の急速減量においては,(1)FFMを維持してFMのみを減少させるのは難しいこと,(2)減量後のTBWは主としてECWの減少によること,(3)減量は運動後の体水分の分布へ影響を与えないこと,および(4)組手試合のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性などが示唆された。
2003-10-27

空手道選手の急速減量による体水分,身体組成,および運動機能の変化

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