高齢者の生きがいと学習
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概要
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本稿の目的は、高齢者の社会参加のきっかけとなる学習活動と「生きがい」との関係に着目し、高齢者教育の意義と課題について考察することにある。「生きがい」には個人的生きがいと社会的生きがいの2種類がある。高齢者の個人的欲求充足のための生きがいだけでなく、社会的生きがいの創造が、参加型社会の構築において重要であると考えられる。北九州市小倉北中央公民館は高齢者の生涯学習の場として高齢者大学を開設しており、ここでは受講生自身がプログラムの企画と運営を行っている。この大学は一定の評価を受け、次年度も引き続き行われている。本稿では、企画・運営委員の学習活動の内容を把握することで、従来の高齢者教育の問題点を明らかにし、より有効な高齢者の参加・創造型学習活動を提起した。高齢者教育を単に福祉政策の一環として取り組むのでは、受講生は学習サービスの受け手としての存在となる危険性がある。受講生の主体性を尊重し、参加の意味や社会的役割を自覚できる学習機会を設定することが、地域に積極的に関わることに生きがいを感じる「社会的生きがい」へと導くことが明らかとなった。
- 西南女学院大学の論文
- 2004-03-29
著者
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