声明資料における入声音
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概要
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入声音は母音が付加された形で現代語に定着しているが、受容の初期には母音が付加されない段階が想定できる。しかしながらその中間段階の様相は資料的制約により窺い得なかったのが実状である。本稿では声明資料に現れる種々の手掛かり(小書き、注記、節博士上の仮名の位置)によってその中間段階の様相を探ろうとする。それによれば、鎌倉時代初期と推定する時期の入声音は、舌内入声音と比べて減退傾向にあるものの、喉内入声音でも非母音付加形が残存しており、また後接音が有声子音の場合に母音付加形が多いことが確認できた。
- 日本語学会の論文
- 2000-12-30
著者
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