リスク指数を用いたME機器保守業務の数値的評価

概要

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〔目的〕機器管理において使用されているデータベースは,中央管理機器の貸出・返却,保守点検・修理などの履歴管理,業務還元,業務実績報告などを目的に使用される.今回,さらなる業務効率の改善を図るため,データベースを基にリスク管理について検討してみた.〔方法〕中央管理対象機器である36機種1,682台のうち,34機種1,600台を対象とした.対象機器について機種別にRisk Factor,定期点検間隔を設定し,1999年度から2002年度までの機器管理履歴を基に貸出部署別,機種別に月単位の貸出機器のリスク指数(以下,Risk Index)を算出し検討した.〔結果〕部署別もしくは機種別にRisk Indexを算出することにより,部署別,機種別のリスクレベルの判断が容易となった.またRisk Indexの経時的推移を見ることで,病棟ごとのリスク低減,もしくは機種ごとのリスク低減などを目的とした点検業務方針の決定が行いやすくなった.借用台数が多数に及ぶ部署においても機器単位での管理が可能となり,機器回収・返却の優先度の決定,巡回点検の業務効率の向上などが図られた.一方で,算出されたRisk Indexのリスクレベルと実状とが一致しているか否かの判断は容易ではなく,適時調整が必要であると思われた.〔結論〕リスクの数値化には機器の重要度,多様のリスク要因を含むことができるため,Risk Indexによるリスク管理は管理台数が多い場合に有効であると思われた.しかし,機種別のRisk Factorや定期点検間隔の設定次第でRisk Index値は容易に変化する.また,機器の経年劣化などによりリスクの重み付けは変化するため,いかに現状との整合性を維持するか検討が必要である.あわせて巡回,定期点検業務を通じての経験値や定性的判断も考慮が必要などリスクアセスメント上の課題が残された.
日本医療機器学会の論文
2003-04-01

リスク指数を用いたME機器保守業務の数値的評価

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