化学的インジケータの滅菌条件を定量的に測定するシステム

概要

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高圧蒸気滅菌における滅菌条件の確認には,生物学的インジケータや化学的インジケータが用いられている.ISO 11140-1において化学的インジケータはクラス1からクラス6までに分類されており,変色終点(endpoint)を目視で確認して滅菌条件を推察できるとことが利点となっている.われわれは昨年の本学会の発表で,化学的インジケータの変色性能は色度を測定することで確認できることを指摘した.この時用いた色度計は高額なもので医療現場で使用するには不適切であった.今回,安価で簡易型の色度計と新たに開発した化学的インジケータを用い,高圧蒸気滅菌における滅菌条件の確認(滅菌保証水準)を定量的に測定するシステムを開発したので報告する.この定量化システムに用いるため開発した化学的インジケータは,高圧蒸気滅菌によって変色する色素の配合量を,その目的とする処理条件に適合するように機能性インキを紙に印刷し,表面をポリエチレンテレフタレート・フィルムにてラミネート加工したものである.化学的インジケータの変色性能は試験評価装置(CIER)を用いて温度・時間を変化させ,滅菌後の化学的インジケータの色相変化を目視による判定と本システムにて定量的に測定し比較した.また,同時に生物学的インジケータ(スポアストリップ【○!R】)を用いて死滅条件も調べた.その結果,開発した化学的インジケータの定量化システムは121℃および134℃等各処理条件において色度を測定することで滅菌条件を定量的に判定することが可能であると考えられた.
日本医療機器学会の論文
2003-04-01

化学的インジケータの滅菌条件を定量的に測定するシステム

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