EOG滅菌における滅菌確認法の問題点

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〔はじめに〕EOG滅菌においては滅菌保証をかける上で,ガスの浸透性が大きな問題となる.よって,実際の滅菌物を想定しガスの浸透を妨げるようなテストパックにより滅菌確認をすることが推奨されている.代表的なものに注射器や外科用タオルで構成されるAAMIのテストパックが知られている.今回,テストパックによる滅菌確認がEOG滅菌器の性能評価に対し適正な方法であるか実験的に確認を行った.〔方法〕陰圧式の滅菌装置を用い,テストパック内に挿入した指標菌のD値を測定することにより滅菌性能の評価を行った.指標菌としてBacillus subtilis ATCC9372株を担持したストリップ型BI(レーベン社製)を用いた.テストパックはAAMIのチャレンジテストパックに準拠したものを採用し,テストパック内のBIおよびBI単体による滅菌速度の比較を行った.また,負荷の影響を調べるためにPVCチューブとガーゼで構成された負荷を加えた場合の性能比較も検証した.〔結果〕指標菌の死滅に要する滅菌時間を比較した場合,テストパックの方がBI単体よりも短い時間となった.負荷存在下における滅菌性能の評価については,テストパックまたはBI単体いすれの場合においても死滅速度に変化がなく,負荷の影響は認められなかった.〔考察〕今回の実験により,テストパックはEOGの浸透を確認するには適した方法であるが,滅菌時間の設定には不適当であることがわかった.理由としては,いったんガスが浸透するとテストパックの内部にEOGが滞留し,排気時間中も滅菌効果が持続する形となり,そのような状況では内部が滅菌されても外部が未滅菌である可能性か残るためである.よって,EOGの滅菌にはテストパックによる浸透性の確認と,BI単体での滅菌時間確認が必要であることが示唆された.
2003-04-01

EOG滅菌における滅菌確認法の問題点

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