輸液ポンプの流量測定装置の試作

概要

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〔目的〕現在,われわれは輸液ポンプやシリンジポンプの流量点検方法として一定時間にメスシリンダーに溜まった液量から流量を求めている.この方法では液量が一定時間に一定量が溜まるまで結果が得られない.そこで,流量を測定する方法を考案し,装置を試作した.〔方法〕流量の測定は市販されている輸液セットの点滴筒に滴下を感知するセンサ(以下,滴下センサ)を取り付けて検出する方法とした.滴下センサは廃棄する輸液ポンプの滴下センサを流用した.滴下センサで滴下を感知した電気信号は市販の汎用データロガーを使用してデジタル信号に変換し,RS-232CポートからPCへ取り込んで波形を観測した.〔結果〕横軸に時間,縦軸にA/D値としてPCの画面上で波形を観測したところ,滴下に同期してパルス状の波形成分が描出されることから,滴下を検出することが確認された.また,本装置は汎用の輸液セット,データロガーなど容易に入手可能な部品と廃棄になる機械の部品で製作しており,部品構成は簡素で容易に作製することが可能であった.〔考察〕われわれは,輸液セットに滴下センサを取り付けることで滴下を検出することが可能な装置を試作した.本装置を用いて滴下に同期したパルス状の波形成分を1滴として総滴下数から換算することで流量を求めることができる.この場合,1滴当りの体積はいくつかの因子により変化し,これが流量誤差の原因となる可能性がある.しかし,点検時の測定環境を整えて実施すればこの誤差は最小限に抑えられるため,実質的に問題とならない.また,輸液回路を工夫することでシリンジポンプにおいても同様の点検を行うことが可能である.本装置は簡便であることから,スクリーニングに有用と考えられる.〔結語〕滴下を検出する方法による流量測定法を考案し,装置を試作した.本装置の部品構成は簡素で容易に作製可能であった.
日本医療機器学会の論文
2003-04-01

輸液ポンプの流量測定装置の試作

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