わが国の喘息死の動向
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
喘息死は世界各国で1990年後半から増加の停滞あるいは減少傾向が報じられている. わが国の喘息死亡率は厚生労働省報告によれば1980年ころから約20年間は人口10万人あたり5人前後を保ち1995年に一過性に急増したもののそれ以降は4人台となり, 近年は3人台と急激な減少を見せている. しかし現実に年間約4000人が喘息で死亡しておりその実態分析を基盤とした予防対策は重要な課題である. 今回はわが国の近年の成人喘息死の疫学, 動態について厚生労働省の報告を, 喘息死の実態, 特性面では喘息死調査研究班が全国レベルで実施した過去9年間の調査結果と日本アレルギー学会喘息死特別委員会の過去6年間の調査結果3)を基に概説する. I. 疫学調査成績 人口10万あたりの死亡率の変遷をみると1970年の8.8人から1975年は6.2人, 1980年は5.5人となり, 以後, 1982年から1987年までは5人前後を保ち, 1989年から1994年までは4.7-4.8人と漸減している. 1995年に5.8人と一過性に増加したものの翌年より再び減少しはじめ, 1996年は4.9人, 1997年は4.5人, 1998年は4.1人, 1999年は4.3人と1996-1999年は4人台となり, 更に2000年は3.6人, 2001年は3.2人, 2002年は3.0人と減少しており近年の喘息死は著明に減少している.
- 日本アレルギー学会の論文
- 2004-11-30
著者
-
中澤 次夫
群馬大学医学部保健学科理学療法学専攻
-
中澤 次夫
群馬大学 医学部 保健学科
-
中澤 次夫
群馬大学
-
中澤 次夫
群馬大学医学部保健学科
-
中沢 次夫
群馬大学
-
中澤 次夫
群馬大学 第一内科
関連論文
- 417 末梢血単球からのIL-12産生におけるglutathione redox制御とp38 MAP kinaseの役割
- 416 IFN-γによる末梢血単球のprimingは細胞内glutathione redoxの変化を介している
- 415 ヒト単球細胞からのPDGF産生におけるMAP kinaseの役割とambroxolの影響について
- 313 抗ロイコトリエン拮抗薬の気管支喘息患者のQOLに与える影響
- 喘息死特別委員会報告
- 理学療法教育における客観的臨床能力試験(OSCE)の開発と試行
- FAST (Fluorescence Allergosorbent Test : 蛍光酵素免疫測定法) による総IgEおよび特異IgE抗体の測定
- ヒト末梢血単球/B細胞におけるTLR1のIFN-_γ/IL-2/IL-4による影響について
- 146 ヒト単球様細胞株THP-1細胞におけるTLR4の補中益気湯/十全大補湯による影響について
- 145 ヒト単球/B細胞におけるTLR4のIL-2/IL-4による影響について
- 2 細菌感染とアレルギー : Toll-like receptorとTH1・TH2バランス(シンポジウム7 感染とアレルギー疾患)
- 270 気管支喘息患者の末梢血CXCR3/CCR4(Th1/Th2)バランスに対するトシル酸スプラタストの影響
- 269 ヒト単球におけるTLR2/TLR4のM-CSF/IFN-γによる影響について
- P11 HL-60細胞からの単球への分化におけるToll-like receptor4の発現誘導について
- P10 HL-60細胞からの顆粒球への分化におけるToll-like receptor4の発現誘導について
- P9 ヒト単球とTHP-1細胞におけるToll-like receptor4のマクロライドによる変化について
- 22 多種類のアレルゲンにIgE抗体を検出した気管支喘息の1症例
- 大学病院職員におけるツベルクリン反応検査成績
- Exophiala jeanselmeiによる皮膚膿瘍を合併した肺結核の1例
- 84 マウスブレオマイシン肺線維症モデルにおけるROCK阻害剤(Y-27632)投与の影響
- 635 ヒト単球の走化能に対するY-27632の作用についての検討
- 499 受容体型チロシンフォスファクターゼRPTPσの線維芽細胞の接着斑形成に及ぼす影響
- 257 気道平滑筋における水溶性 forskolin, NKH477 の弛緩作用について : 電位依存性Caチャンネル(VDCC)との関連
- 3 気道平滑筋におけるGTP依存性Ca^感受性増強機構(第4報) : calponinの役割
- 17 気道平滑筋におけるGTP依存性Ca^感受性増強機構 : 第3報
- 16 気道平滑筋におけるGTP依存性Ca^感受性増強機構 : 第2報
- 広範な深部静脈血栓症の発症にECPの関与が疑われた好酸球増多症候群の1例
- 23.特別養護老人ホーム入所者が歩行不能(寝たきり)となる原因(高齢者)
- 4.特別養護老人ホーム入所者の知的能力とADL能力の6年間の経時変化 : 痴呆の予防にはたす生活活動の役割 : 第31回日本リハビリテーション医学会学術集会 : 地域医療
- 特別養護老人ホーム入所老人の知的能力と生活能力の経時変化
- 129 ヒトマスト細胞における高親和性IgG受容体, FcγRI, の発現
- 485 酸化的ストレスと気道リモデリング形成に関する基礎的検討
- 新しい特異 IgE 抗体検出法 (CAP System) の評価とその有用性に関する研究
- 18 気管支喘息患者に対する吸入ステロイド薬の局所副作用に関する検討
- 187 Sphingosine 1-phosphateはヒト気管支平滑筋細胞の遊走を抑制する
- 45 IgEを介する肥満細胞遊走のp38 MAP kinase Rho-kinaseによる調節について
- 44 肥満細胞は抗原へ向かって遊走する
- 16 気管支喘息患者における逆流性食道炎の実態
- 311 モルモット遅発型喘息モデルにおける気管支肺胞洗浄液中の細胞成分の検討
- 148 モルモット遅発型喘息モデルにおける気管支肺胞洗浄液中SOD活性の検討
- 1 喘息死特別委員会アンケート調査報告(2 喘息死の現況とその対策, 第55回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 成人喘息死の全国調査 (特集 喘息死の現状と対策)
- 304 IL-23のsubunit発現におけるシグナル伝達経路の比較
- 148 LPS惹起IL-12産生におけるc-Jun-NH2-terminal kinaseの役割とglutathione redox制御との関係
- 群馬大学医学部附属病院の理学療法業務について : その実績と問題点
- 本邦における成人気管支喘息死の動向1986~1991-全国の200床以上を有する病院へのアンケート調査報告-
- 職業性喘息の免疫学的機構 (特集 職業アレルギー--アレルギー疾患の貴重な人体モデルとしての意義)
- 145 群馬県内成人のスギ花粉IgE抗体保有率 : ここ10年間でどのように変化したか
- 521 自然感作および人為感作時における抗原刺激と特異IgG4抗体およびIgE抗体産生について
- P-6 群馬県内成人集団におけるスギ特異IgE抗体保有状況の経年変化と地域間差異
- 若年者層におけるスギ花粉に対する特異IgE抗体保有者と臨床症状との関連
- 杉花粉症に対するマスクの効果
- 125 両側胸水を伴ったRS3PE症候群の1例
- 気道平滑筋(ASM)におけるカルシウム感受性減弱効果の検討
- 群馬県における成人気管支喘息患者1260症例の実態に関するアンケート調査報告(群馬ロイコトリエン研究会報告)
- 516 TGF-betaによるヒト肺線維芽細胞からのCTGF mRNAの発現はc-Jun-NH2-terminal kinaseの制御をうける
- 250 気道平滑筋(ASM)におけるカルシウム感受性について
- 132 ROCK阻害剤(Y-27632)のapoptosisに与える影響
- 400 人末梢血単核球およびT cellの肺上皮細胞に対する傷害作用の検討
- S-9.司会のことば(シンポジウム9 年齢から見た喘息死の問題点と対策,第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 司会の言葉(シンポジウム10 喘息死の動態および対策)
- 司会の言葉(シンポジウム12 本邦における喘息死)
- Rifampicin 誘発性抗核抗体の出現が疑われたアレルギー性薬物性肝炎の1例
- 257 肥満細胞のロイコトリエンC4産生に対するプロスタグランディンE2レセプターアゴニストの抑制作用
- 165 吸入誘発が2相性を示し、即時反応時LTD_4・E_4の上昇を認めた小麦粉喘息の一例
- 司会のことば(2 喘息死の現況とその対策, 第55回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 223 症状の安定した気管支喘息患者における末梢気道の気流制限に関する検討
- わが国の喘息死の動向
- 121 マウス喘息モデルにおけるγ-GCEの気道過敏性抑制効果
- 227 気管支喘息患者におけるドライパウダー吸入ステロイド薬による嗄声と吸気流速に関する検討
- 76 アストグラフ法による気道過敏性と気道リモデリングの経時的解析法
- 49 致死的心病変を合併した特発性好酸球増多症候群の剖検例
- 2 職業アレルギーの新しい概念と免疫学的機構(職業性アレルギーの新しい概念と対策)
- 座長のことば(職業性アレルギーの新しい概念と対策)
- 我が国の喘息死の動向
- 重症持続型気管支喘息患者に対する顆粒球・単球吸着除去療法による治療の試み
- 本邦における喘息死亡率と吸入ステロイド薬・ロイコトリエン受容体拮抗薬の関連性
- 著明な好酸球増多を示した3症例の検討
- 成人喘息 : 全国調査から(5〜34才の変動を含めて)(シンポジウム10 喘息死の動態および対策)
- 202 Leukotiene(LT)、Thromboxane A_2(TXA_2)による気道平滑筋収縮機構
- 199 炎症性サイトカインによるヒト気道平滑筋のCa^感受性増強効果
- 179 同種骨髄移植後も気道過敏性が改善されなかった-喘息剖検例
- W37 食物アレルギーを合併したシラカンバ花粉症の1例
- 537 Rho/ROCK阻害剤(Y-27632)の吸入喘息薬としての可能性
- 324 減感作療法の血中サイトカイン値におよぼす影響 : Interleukin 5,6に関して
- 5 モルモット遅発型喘息モデルにおける血中および気管支肺胞洗浄液中コーチゾルの検討
- 634 T細胞からのIL-2放出におけるtho/ROCK系の役割の検討 : ROCK阻害剤によるIL-2放出抑制
- 喘息が合併しやすい疾患,病態 (講座 気管支喘息と他の病気の合併)
- 3. 喘息死亡診断書による喘息死亡率と喘息死調査との比較検討 (成人) (10 喘息死を減らすためにはどうすればよいか)
- ぜんそく死の予防と対策 (特別企画 ぜんそくの治療と予防)
- 養蚕喘息など(III 減感作療法の評価と今後の展望)
- わが国のβ_2刺激薬MDIと喘息死 : 司会の言葉(3 わが国のβ_2刺激薬MDIと喘息死)
- 特別委員会報告:喘息死特別委員会
- 9 成人喘息死の実態と対応 : 全国調査から(喘息死 : 実態とその対応)
- 2 わが国における成人喘息死の実態(ポスターワークショップ19 喘息死)
- 20. 職業アレルギーのアプローチ
- 職業性喘息の診断と治療--最近の動向
- イヌ気管平滑筋収縮に対するα_1, α_2受容体遮断薬の影響
- 私のアレルギー史 私のアレルギー研究
- 私のアレルギー研究(私のアレルギー史)