気管支喘息患者の下垂体・副腎皮質機能に関する研究 : その2 実験的研究
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概要
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気管支喘息患者の下垂体・副腎皮質機能低下の病因を解明するために, 109匹のモルモットを histamine 吸入あるいはステロイド剤注射で処置し, 喘息患者の病型, 罹病期間およびステロイド剤投与例のモデルを設定し, その血漿 cortisol 値を測定した.1.histamine 吸入による実験的喘息を連日惹起させたが, 血漿 cortisol 値は1, 4および7ヵ月目とも対照群との間に差は認めなかった.2.週1回の histamine 吸入を行なっても同様に1, 4および7ヵ月目の3群間に差はみられなかった.3.少量の dexamethasone を連日注射すると, 1ヵ月目の血漿 cortisol は明らかに低値を示したが, 4および7ヵ月目では対照群との間に差は認めなかった.4.histamine 吸入と dexamethasone 注射とで連日処置した群は, 1および4ヵ月目では対照群との間に著明な差はみられないが, 7ヵ月目になると血漿 cortisol は明らかに低値を示した.以上より, 気管支喘息患者の下垂体・副腎皮質機能は, 長期間の頻回の発作と少量のステロイド剤服用との相乗作用により, 比較的容易に低下すると推察された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1972-12-30
著者
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