気管支喘息患者の下垂体・副腎皮質機能に関する研究 : その1 臨床的研究
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概要
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気管支喘息患者の下垂体・副腎皮質機能を解明する目的で.193例の気管支喘息患者について重症度および病型別に2, 3の臨床検査を行ない, 以下の成績を得た.(1)尿 17-OHCS 排泄量は重症または慢性型喘息患者ほど低値を示す傾向にあった.(2)ACTH試験による副腎皮質予備能は重症ほど低下するが, 病型による差はなかった.(3)rapid ACTH 試験では重症または慢性型の症例に, 副腎皮質予備能低下の傾向を認めた.(4)血漿 cortisol 値の日内変動より喘息患者の非発作時の血中 corticoid 動態を観察したが, 重症, 慢性型, ステロイド剤大量投与あるいは長期罹病例ほど午前8時の血漿 cortisol 値の低下が認められた.(5)metopirone 試験による下垂体予備能は重症ほど低下が示唆された.以上より, 気管支喘息患者では重症あるいは慢性型の症例ほど下垂体・副腎皮質機能は低下の傾向にあり, それにはステロイド剤抗与以外に, 頻回で長期間にわたる発作が関与しているものと推察された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1972-12-30
著者
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