小児気管支喘息患児と親又は保護者のQOL調査票改訂版2001の作成と評価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
小児気管支喘息患児と親または保護者のQOL調査票(既報のQOL調査票, 4歳未満23問, 4歳以上31問)は, 反復再現性などの信頼性, 因子的妥当性が良好で, 喘息発作症状の変化を反映することをすでに報告した.本研究では日常診療においてより使用しやすくするため, 調査票の改訂を検討した.方法は既報のQOL調査票を用い, 患児の親又は保護者に各質問ごとに喘息により来した支障の影響の重要度を調査し, 重要度の平均順位および医学的見地から質問を取捨選択し, 身体的, および精神的ドメインを有する調査票案を作成し, さらに因子分析と因子の信頼性の検討を行い, 小児気管支喘息患児と親又は保護者のQOL調査票改訂版2001を決定した.この調査票は4歳未満15問, 4歳以上20問の調査票である.次にこの調査票の評価を行った.すなわち, 喘息患児, 喘息以外の疾患に罹病中の患児および健常児を対象に, 既報のQOL調査票により調査した結果をもとにして, 上記で決定した小児気管支喘息患児と親又は保護者のQOL調査票改訂版2001の質問項目を用いて検討し, 良好な結果が得られた.さらに, QOL調査2週間前からの発作などのeventsの有無とQOL scoreとの関連では有群ではscoreが低い傾向にあり, 4歳未満では, 身体的ドメインのscoreで, 有意な差(p=0.0052)を, 4歳以上では, 身体的ドメイン(p<0.0001)および精神的ドメイン(p<0.0001)に有意な差を認めた.喘息のように突発的に発作が出現するようなQOL調査票には, 調査前のeventsの有無も調査すべきであると考えられたので, QOL調査票にはこの点を含めた.小児気管支喘息患児と親又は保護者のQOL調査票改訂版2001は, 日常診療において, 患児とその親又は保護者の喘息によりきたした支障の内容と程度を把握するために, 極めて有用であると思われた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 2001-08-30
著者
-
坂口 平馬
岐阜大学医学部小児科
-
坂口 平馬
岐阜大学 大学院医学研究科小児病態学
-
青木 美奈子
岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学
-
青木 美奈子
岐阜大学医学部附属病院小児科
-
福富 悌
岐阜大学 小児科
-
寺本 貴英
岐阜大学医学部小児科
-
近藤 直実
岐阜大学医学部小児科
-
松井 永子
岐阜大学医学部小児病態学
-
伊上 良輔
岐阜大学医学部小児科
-
伊上 良輔
木沢記念病院 小児科
-
伊上 良輔
岐阜大学医学部医学教育開発研究センター
-
福富 悌
福富医院
-
平山 耕一郎
三菱東京製薬
-
篠田 紳司
岐阜大学医学部小児科
-
渡辺 みづほ
岐阜大学医学部小児科
-
福富 悌
岐阜大学医学部小児科
-
近藤 直実
岐阜大学医学部小児病態学
-
篠田 紳司
郡上市民病院小児科
-
篠田 紳司
岐阜大学医学部小児病態学
-
平山 耕一郎
岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学
-
寺本 貴英
岐阜大学医学部医学教育開発研究センター
-
篠田 紳司
岐阜県立岐阜病院
-
福富 久
大垣市民病院小児科
関連論文
- 環境が生体に及ぼす影響
- 気管支喘息の発症予防
- アデノウイルス3型による集団感染の伝播状況についての検討
- 192 食餌アレルギー患児における食餌抗原に対するアレルギー反応の加齢による変化
- 190 臍帯血を用いたアレルギー発症予知生後4年間の経過観察による検討
- 71 食物アレルギーの寛容誘導及び抗原提示におけるプロテアーゼの役割に関する検討
- 470 夜間発作性気管支喘息患児におけるβ-エンドルフィンの検討 : 臭化フルトロピュウムの効果を含めて
- 3.難治性てんかんを合併したヘルペス脳炎の乳児例(第34回岐阜エピレプシー研究会)
- W54 小児気管支喘息児と親又は保護者のQOL調査票の重要度による簡便化
- 加速度脈波を用いた気管支喘息における自律神経系の評価
- P239 DLST陽性より解熱剤による薬剤性肺炎が疑われた一例(薬物アレルギー,薬剤性障害3, 第19回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- P144 大豆アレルギーの主要抗原P34を用いた免疫寛容誘導のための基礎的検討(食物アレルギー・他(1)-2, 第19回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- MS3-5 出生コホート研究による小児アレルギー疾患の発症に関わる因子の検討(アレルギー疾患の疫学調査とその方向性, 第19回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- S1-4 小児科における薬物アレルギーの現状と対策(薬物アレルギーの現状と対策, 第19回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- QOL評価の実例紹介 (特集 小児アレルギーのQOL評価法と臨床における意義)
- 214 RSウイルス感染による気管支喘息発症の遺伝的要因に関する検討(小児喘息6,一般演題(口演),第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- MS11-1 出生コホート研究による小児アレルギー疾患の評価 : 乳児アレルギー疾患発症に関わる免疫学的因子の解析(アトピー性皮膚炎,ミニシンポジウム11,一般演題,第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- MS1-11 ミルクアレルギー患者に対する積極的免疫寛容誘導(食物アレルギー1,ミニシンポジウム1,一般演題,第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- MS1-10 牛乳アレルギーの基礎的解析に基づく新規治療法の開発(食物アレルギー1,ミニシンポジウム1,一般演題,第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- S12-2 発症に及ぼすウイルス感染の影響と胎内因子(シンポジウム12 アレルギー疾患発症に係わる胎内・胎外因子,第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- P232 小児気管支喘息におけるモンテルカスト使用によるロイコトリエンの動向と遺伝子多型(アレルギー治療薬,ポスターセッション,一般演題,第18回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- MS11-2-4 RSウイルス感染による末梢血中のTh1/Th2バランスの変化についての検討(小児気管支喘息2,ミニシンポジウム,一般演題,第18回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 2 小児における喘息症状にどう対応するか(イブニングシンポジウム7 各世代での喘息症状にどう対応するか,第18回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- RSウイルス感染と喘息発症--感染による喘息の発症,増悪の機序 (小特集 RSウイルス感染症と気道疾患について)
- 165 食物アレルギーの発症機序からみたTh2サイトカイン阻害薬の有用性(食物アレルギー(4), 第55回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 3 乳幼児期における遺伝・環境要因とアレルギー疾患 : 遺伝要因と環境要因は発症にどのように関与するか(7 乳幼児の免疫機構とアレルギー疾患, 第55回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 小児気管支喘息患児と親または保護者のQOL調査票改訂版2001によるプランルカスト投与前後の評価
- IgE産生抑制系の遺伝子解析とその応用(シンポジウム11 アレルギー疾患のゲノム解析の現状)
- 原因遺伝子同定から機能的アミノ酸同定ヘ
- 381 小児気管支喘息における非観血的モニタリングについての検討
- 182 アトピー性皮膚炎におけるアラキドン酸カスケードとドコサヘキサエン酸の作用
- O49 気管支喘息児の水泳運動における自律神経系の変化
- 259 食物アレルギーの病態生理における自律神経系の意義
- 167 夜間発作性喘息における自律神経の検討
- 166 運動誘発性喘息における自律神経系の関与
- 70 アレルギー疾患の遺伝的背景の検討
- 69 気管支喘息患者の気道過敏性試験における心拍変動スペクトル解析による自律神経系の評価
- 冷水負荷試験により自律神経系の評価を試みた気管支喘息の症例
- 250 ヒスタミン遊離試験(HRT)を用いた食物除去解除時期の検討
- 161 心拍変動スペクトル解析および加速度脈波を用いた気管支喘息児における自律神経系の評価
- 239 アレルギー患者末梢リンパ球では950delCAGのIL-48Rαが優位に発現している
- 5 タンパク質立体構造に基づくアレルギー発症予防・治療へのアプローチ(8 アレルギー性疾患を如何にして予防するか)
- 3 アトピーとIL-2受容体β2鎖遺伝子異常(2 アレルギー性疾患と遺伝)
- 4 アレルギーの病因遺伝子解明と遺伝子治療の可能性 : IL-12Rβ2鎖遺伝子異常の発見を含めて(6 アレルギー疾患の早期治療介入)
- 気道アレルギーの発症要因 : 免疫学的・遺伝子学的機序-IL-12Rβ_2鎖遺伝子異常を含めて
- 285 アレルギー患者におけるIL-12産生とIL-18産生の検討
- 37 アレルギー発症に及ぼす自律神経の影響
- 乳幼児期からのペット回避はアレルギー疾患の予防・治療の向上にどのように貢献しているか(シンポジウム7 環境整備によるアレルギー疾患治療の向上)
- 248 アレルギー患児の末梢リンパ球のIFN-γ産生について
- 29 食物アレルギー患児由来T細胞のサイトカイン産生について
- 280 変性食餌抗原に対するリンパ球幼若化反応の検討
- ウイルス感染と免疫アンバランス
- 3 アレルギーにおけるIL-12およびIL-18受容体のRNAプロセッシング
- 92 RSウイルス感染と気管支喘息発症についての検討
- 240 小児アレルギー疾患における血漿IL-18値とIL-18シグナリングの分子構造学的検討
- 自己免疫異常を合併したリジン尿性蛋白不耐症の1例
- 10 気管支喘息発作に対する簡易式無菌装置の治療効果(ポスターワークショップ8 ユニークなアレルギー治療の紹介と検証)
- 278 小児アレルギー疾患の病態とIL-18との関連についての検討
- 152 Beta-lactoglobulin特異的T細胞クローンの解析 : アナログペプチドを用いた検討
- アレルギーにおけるゲノム解析の応用
- 2 アレルギーにおけるゲノム解析と診断への応用 : 小児を中心に(ゲノム解析の臨床応用)
- アレルギー素因を規定するIgE産生抑制系遺伝子変異検出キットの開発
- ポストゲノム解析への応用と発展
- 452 アレルギー病因候補遺伝子としてのIFN-γreceptor1 L467Pの同定及び機能解析
- 447 アレルギー患者におけるIL-12receptorβ1多型
- 5 ウイルス感染によるIgE産生抑制系の分子異常(シンポジウム7 感染とアレルギー疾患)
- 喘息発症における遺伝因子と環境・感染との関わり(遺伝子生態医学)(小児気管支喘息 : 環境・感染・遺伝要因の新知見)
- 133 卵白アレルギーにおけるオボムコイド特異的T細胞の解析
- 475 卵白アレルギーにおけるオボムコイド特異的T細胞クローンの解析
- ムコ多糖症患者の脳MRS解析
- ウイルス感染におけるアレルギー病態の分子メカニズム(シンポジウム12 ウイルス感染とアレルギー疾患)
- ヒトヘルペスウイルス6感染後に発症した末梢性顔面神経麻痺の1乳児例 (主題 ウイルス感染症)
- 416 HLAclassII分子により提示されるβ-lactoglobulinのT細胞epitopeとサイトカイン産生の解析
- 気道アレルギーの発症要因 : 免疫学的・遺伝子学的機序
- 22 新生児期に血便を認め, 抗原特異的リンパ球幼若化反応が診断に有用であったアレルギー性腸炎の2例
- アトピー性皮膚炎における遺伝因子と環境因子の関与とその対策
- アレルギーにおけるIL-10の役割
- 環境が生体に及ぼす影響
- アレルギー疾患の予知・予防は可能か
- 100 アレルギー疾患における遺伝子多型の検討 : 特にIL-4RαおよびIFN-γR2について
- 3 食物アレルギーの診断・検査法の進歩-食物アレルギーの診断における非即時型アレルギー検査について(18 食物アレルギーの診療をめぐる最近の進歩)
- 6 アトピー性皮膚炎の発症・増悪に関与する遺伝子 : IL-12Rβ鎖遺伝子異常の発見 (6 アトピー性皮膚炎の発症・増悪因子の多様性と病態)
- ウイルス感染と免疫アンバランス
- 124 ワクチン接種による免疫機能の変動と能動免疫獲得 : 免疫機能に問題のある小児の場合
- アレルギー疾患におけるIL-12, IL-18の産生量と遺伝子多型の解析
- 189 急性腎炎症候群で発症したSLEの1例
- 424 アレルギー患者でみられた変異IL-12 receptor β2鎖遺伝子の発現と病因的意義
- 423 アレルギー患者におけるINF-γ receptor遺伝子変異の検討
- 266 改定版2001(Gifu)によるpranlukast hydrate投与前後のQOL評価
- 免疫学的観点からみた食物アレルギー
- 419 アレルギーにおけるHLA class II分子、抗原ペプチド、T細胞受容体の結合様式の解明
- 免疫学的観点からみた食物アレルギー : プロテオミックスを含めて
- 小児気管支喘息患児と親又は保護者のQOL調査票改訂版2001の作成と評価
- 459 食物アレルギーにおける抗原特異性発現機構の解明 : TCRとT cell epitopeの構造と結合様式の解析
- 94 アレルギー患者におけるIL-12刺激伝達系におよぼすIL-10の影響
- アレルギーの発症に関与する遺伝子-抗原特異性に関わる遺伝子を含めて-
- 食物除去試験と食物負荷試験 (特集/食物アレルギー) -- (診断と治療)
- 425 IL-18レセプターα鎖の遺伝子変異の検討
- 102 サイトカインネットワークの分析にもとずくアトピー遺伝子の検討 : IFN-γレセプター遺伝子異常との関連
- 4 多彩な自己抗体が陽性でSLEと診断されたリジン尿性蛋白不耐症の女児例