小児におけるスギ花粉症の感作と発症に関与する因子について
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概要
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スギ花粉症患者は近年小児においても増加傾向にある. そこでその感作および発症に関する因子を明らかにするために, 栃木県壬生町の小・中・高校生を対象にアンケート調査, 鼻鏡検査・鼻汁好酸球検査・CAP-RAST法による特異的IgE検査を施行し以下の結果を得た. アンケート調査での有症率は6歳では約10%であったが8歳で急激に増加し, 17歳では約25%に達していた. またスギ花粉に対する抗体保有率は, 6歳の約20%から7歳で約40%と急激に増加し, 以後17歳まで40〜50%を推移しながらやや増加傾向を示した. したがって, 感作においては7歳, 発症においては8歳が年齢的危険因子と考えられた. 同時に測定したダニに対する抗体価とスギに対するそれを比較すると, ダニ抗体陽性者ではスギ花粉に対する抗体保有率も有意に高く, スギに対する感作成立にダニの関与が示唆された. 居住環境による差異を検討すると, 抗体陽性者は田園地域居住者に比べ住宅地で有意に高く, 発症率は一戸建住宅に住む者より集合住宅の方が高値を示していた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1995-01-30
著者
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