乳幼児における尿中 N-メチルヒスタミン値の日内変動と年齢変化に関する研究
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概要
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乳幼児における, ヒスタミンの主要な代謝産物の1つである尿中 N-メチルヒスタミン (N-methylhistamine ; NMH) の日内変動と, 年齢変化の有無を調べた. その結果, 生後2カ月〜2歳 (平均11.9カ月, M : F=10 : 4) の入院中の14例の児における尿中NMH値の日内変動は, 早朝やや低く夜間にやや高い傾向を認め, 早朝と夜間では有意であった (p<0.05). 一方, 生後3カ月〜4歳6カ月 (平均1.2歳, M : F=36 : 19) までのアレルギー症状を有さない55例の午後尿での尿中 NMH値は生後3〜5カ月児が9〜12カ月, 1〜2歳, 2〜5歳児に比し, 有意に尿中 NMH値が高値を示し (p<0.05, p<0.005, p<0.01), 6〜8カ月児の尿中 NMH値も1〜2歳, 2〜5歳児に比し高値であった (p<0.05, p<0.05). 以上のように乳幼児の尿中 NMH値は, 早朝尿が夜間尿に比し有意に低いという日内変動が観察され, また同一時刻であっても年齢が高くなるにつれて尿中 NMH値は低値を示す傾向を認めた. このことから, 乳幼児のI型アレルギーの診断に尿中 NMHを応用する場合には, 変動の少ない日中に採尿すること, ならびに食物負荷試験の評価の客観的パラメーターとして尿中 NMH値を用いる場合は, 患者の年齢を考慮する必要があり, したがって絶対値よりも変動率にて検討することが望ましいと思われた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1994-07-30
著者
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