小児気管支喘息患児におけるSpacer (Volumatic^<【〇!R】>)とExtension Tube使用によるβ_2刺激薬吸入の気管支拡張効果の比較検討

概要

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急性喘息発作で受診し, 12時間以上テオフィリン製剤およびβ_2刺激剤を服用していなかった小児気管支喘息患児18例を対象に, 二重盲検法で, spacer (Volumatic^<【〇!R】>)とextension tube使用によるβ_2刺激薬吸入の気管支拡張効果の比較検討を行った. その結果, 吸入前%FEV_1はextension tube使用群(以後ET群)52.8±18.3%(mean±SD), spacer (Volumatic^<【〇!R】>)使用群(以後VS群)54.8±18.4%と有意な差は認めなかった. FEV_1の吸入前値からの改善率は両群ともに時間経過につれて上昇し, 吸入30分後に最大改善を示した. 最大改善率(%)はET群では46.2±37.4%, VS群では55.6±39.2%でVS群で高かったが, 有意ではなかった. また, 吸入30分後の吸入前値からの改善率は, FVC, V_<50>, V_<25>ではVS群でやや高い改善率を示し, 逆にPEFRではET群で高い改善率を示したが, いずれも統計学的には有意ではなかった. 以上から直径22mm, 長さ120mmと小型で携帯に便利な柔プラスチック製蛇腹式extension tubeでも十分に吸入エアゾル粒子の速度を低下させ, 粒子径を小さくし, 同調せずに吸入させることが可能と考えられた.
日本アレルギー学会の論文
1993-12-30