蛔虫アレルギーにおける抗原および抗体に関する研究 : 第15報 小腸蛔虫症の抗アレルギー療法
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概要
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従来, 蛔虫症の治療としては専ら駆虫のみが行われて来た.しかし, 駆虫は元来蛔虫寄生の治療であって, これを蛔虫症の治療にも行なってきた感がある.さて, 蛔虫症の発症機転がアレルギーなりとする我が教室の立場から, 我が教室では蛔虫症の治療, 即ち腹痛の速かな除去を目的として次の研究が行われて来た.即ち, 松村教授は井上とともに胃, 十二指腸蛔虫症に対して抗ヒスタミン剤が有効であることを報告し, 松本は胃蛔虫症の心窩痛発作時に胃運動曲線を描写し, 抗ヒスタミン剤を注射したところ, 胃の〓縮が除去せられると同時に, 疼痛が消失したと述べている.また, 胃蛔虫症類似症状惹起においても抗ヒスタミン剤が有効であったことを認めている.松村教授は, 小腸蛔虫症に対しては抗ヒスタミン剤の他交感神経興奮剤たるアドレナリンが有効であることを認めている.細谷は, Schultz-Dae 術式を用いて, 蛔虫体腔液により腸管を収縮せしめた後に, 各種薬剤を作用させた結果, ベナドリール, アドレナリン, エフェドリンおよびアトロピンがこの腸管の収縮を緩解させると報告している.また, 田所は, 実験的に胃蛔虫症類似症状を惹起せしめたモルモットに, 抗ヒスタミン剤, ファイナリン, アトロピンを作用させると〓縮および蠕動亢進を明らかに消失せしめ
- 1964-08-30
著者
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