小児における補体系(Complement System)の発達 : 第3編 新生児の在胎週別, 出生体重別および在胎週別出生体重の血清中の補体価(CH50)および補体系蛋白成分値について
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概要
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周産期の胎児の補体系の発達を知るために41例の臍帯血について, 血清中の(CH50)はMayer法で, 補体系蛋白成分(Clq, Cls, C4, C3, C5, C9, factor B, ClINH, C36bINA)値はsingle radial immunodiffusion法で測定し, これらを在胎週別, 出生体重別および在胎週別出生体重に分類し, 次の成績を得た.1. 28-37Wの早産児と810g-2500gの低出生体重児の血清中のCH50および補対系各蛋白成分値は, 満期産児と2501g-4000gの出生体重児に比してそれぞれ低値であった.2. a) 33-37WのSFD児とAFD児の血清中のCH50および補体系各蛋白成分(C9を除く)値との比較では, AFD児の値がすべて有意に高値であった.b) 33-37WのSFD児の血清中のClq, Cls, C3, C9, factor BおよびC3bINA値は28-32WのAFD児の値に比して低値であった.c) 33-37WのAFD児の血清中のClq, Cls, C5, C9, factor BおよびClINH値は満期産のSFD児の値に比して高値であった.d) 満期産のSFD児とAFD児の血清中のCH50および補体系各蛋白成分値との比較では, AFD児の値がすべて有意に高値であった.3. a) 満期産AFD児と2501g-4000gの出生体重児との血清中のCH50および補体系各蛋白成分値には有意差がなく, なお, これらの値は成人値に比して10-75%であった.b) 満期産SFD児の血清中のCH50および補体系各蛋白成分値は2501g-4000gの出生体重児の値に比して有意に低値であった.c) 満期産SFD児の血清中のCH50, ClqとC3値は2001g-2500gの出生体重児の値に比して低値であった.4. 新生児児の在胎週数および出生体重とCH50, Clq, Cls, C3, C4, C5およびClINH値とはそれぞれ0.1%以下の危険率で正の相関を示した.以上の成績より早産児と低出生体重児は満期産児と正常出生体重児に比して, またSFD児はAFD児に比して補体系がより未熟であることが示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1982-09-30
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