カンジダ喘息の発症機序に関する研究 : 第1報 臨床像からの検討
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概要
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Candida albicans(以下カンジダ)により起きる喘息の発症機序を検討する目的で, カンジダ以外に抗原を証明しえない喘息29名(14-61才)と, 室内塵(以下HD)以外に抗原を証明しえない喘息29名(13-58才)の臨床像を比較し, 以下の結果を得た.HD喘息は主に若年発症し, アレルギー性疾患の家族歴が高率にみられ, 総IgE値は高値で, PK反応とRASTの陽性率も高率であった.吸入誘発試験ではおもに即時型反応がみられた.カンジダ喘息はおもに青・壮年期に発症し, アレルギー性疾患の家族歴も低率で, 総IgE値は正常域にあり, PK反応とRASTの陽性率も低率であった.吸入誘発試験ではおもに遅発型反応がみられた.これらの差はいずれも有意であった.以上よりHDはアトピー体質者を感作し, IgE抗体を介してI型アレルギーで喘息を発症させるが, カンジダは, おもに非アトピー体質者を感作し, およそ2/3の例では, IgE抗体以外の機序で喘息を発症させると考えた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1981-09-30
著者
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