ヒト末梢血リンパ球に及ぼす水銀化合物の影響について
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概要
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1.各種の水銀化合物についてヒト末梢血リンパ球活性化能を調べた.リンパ球活性化能のある水銀化合物は, 2価性以上の反応試薬に限られ, 1価性の反応試薬にはリンパ球活性化能はみられなかつた.また, 細胞内に入ることのできない高分子水銀化合物には, リンパ球活性化能が認められなかつた.水銀化合物によるリンパ球の活性化は6日目で最大となつた.2.Eロゼット法やナイロンウールカラム法を用いて得たTリンパ球分画は水銀イオンによつて活性化をうけるが, Bリンパ球分画は全く活性化されなかつた.水銀イオンはTリンパ球特異的mitogenであり, また, 単球の存在は必ずしも必要ではないと考えられた.3.水銀イオンはヒト末梢血リンパ球を活性化する濃度でTリンパ球由来のMOLT4F細胞の^3H-thymidineの取り込みを著しく増大させるが, Bリンパ球由来の細胞に対してはこのような作用は認められなかつた.水銀化合物によるTリンパ球の活性化は種々の点でレクチンなどとは異なることが示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1979-07-30
著者
-
大沢 利昭
東京大学薬学部生体異物研
-
杉浦 隆之
帝京大学薬学部衛生化学教室
-
大沢 利昭
東京大学薬学部
-
杉浦 隆之
帝京大学薬学部
-
増沢 康男
帝京大学薬学部衛生化学教室
-
大沢 利昭
東大薬学部生体異物免疫化学
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