抗膜抗体の特異性に関する研究(第2報) : 赤血球膜表面抗原の分画と抗膜抗体との反応
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概要
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赤血球膜のPAS 1分画とband 3分画の精製を抽出操作やゲル濾過を用いておこなった.これらの分画をSDS-polyacrylamide gel電気泳動法, 280nmの紫外部吸収, シアル酸の定量と蛋白定量を用いて検討した.また, 抗原性の検討はmicro-Ouchterlony法を用いた.主な分画としてsupernatant I, supernatant II, Pellet II, band 3, PAS 1, 精製したglycoproteinについて検討をおこなった.supernatant I, supernatant II, pellet II, band 3, PAS 1および精製したglycoproteinと抗膜抗体との間には各分画に融合する1本の鮮明な沈降線がmicro-Ouchterlony法で検出された.同時にPAS 1分画, 精製したglycoproteinと抗膜抗体との間には鮮明なもう1本の沈降線を検出し得た.これらのことより, 抗膜抗体に対する抗原性は赤血球の構造蛋白および細胞表面に露出している糖蛋白(PAS 1分画, 精製したglycoprotein)の両方に存在し, この糖蛋白との反応が最初の反応を惹起させるものと推測された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1976-07-30
著者
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