抗膜抗体の特異性に関する研究(第1報) : 赤血球膜蛋白に結合したSDSの分離ならびに定量法
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概要
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われわれは, ヒト赤血球膜または筋膜をSDSで可溶化して抗原とし, immunoelectrosyneresisを用いて, 自己免疫性疾患患者血清中に存在する抗膜抗体を高率に検出しうることを報告したが, これら膜蛋白に結合したSDSを定量する方法については, いまだ十分には確立されていない.われわれはSDSで可溶化された赤血球膜蛋白について, 薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて紫外線照射法および蒸留水噴霧法を用いてSDSの定性を, 定量を目的とした場合にはrosaniline hydrochlorideとの組合せを用いておこなった.SDSの検出感度は, TLCを用いて紫外線照射法の場合には2×10^<-3>Mであり, 蒸留水噴霧法では2.75×10^<-5>Mであり, 発色法との組合せでは10^<-6>Mまで検出できた.一方, SDSによって可溶化された膜蛋白溶液中からのSDSの除去は, Sephadex G-25 columnを用いるゲル濾過によりおこなった.Sephadex G-25 columnでの可溶化赤血球膜分画では, 第1峰においてはSDSの濃度は2.4×10^<-10>Mであった.この段階での赤血球膜蛋白を抗原として, 全身性エリテマトーデス患者血清とimmunoelectrosyneresisをおこなっても抗膜抗体との反応が沈降線として証明されることから, 従来われわれが証明してきた抗膜抗体は, 決してSDSによる非特異的反応ではないことが証明された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1975-07-30
著者
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