花粉症に関する研究(II) : 相模原市における空中花粉の調査成績(続)
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概要
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1965年以後4年間, 相模原市における空中花粉について, 米国のStandard Sampling Deviceにならつて調査した.花粉は樹木, イネ科およびイネ科以外の草本に分けられ, それぞれに含まれる各種花粉について検討した.1)樹木では裸子植物がもつとも多く, 総花粉数の大半を占め, スギ, サクラ, ヒノキ, クロマツ, アカマツが主なものである.2)被子植物樹木ではコナラ, クヌギ, ケヤキが多く, ついでハンノキ属, クマシデ属, エノキ, イヌシデ, アラカシとなつている.3)そのほかの樹木ではヤナギ, カエデ, スズカケノキ, オニグルミ, クワ, クリ, シイ, クスノキ, フサザクラ, サクラなどがみられた.4)イネ科花粉は3月末から10月までみられ, 8〜10月に最盛期を示している.41年以後秋のイネ科花粉数は減っているが, 春には幾分増している.5)イネ科以外の草本ではヨモギ, ブタクサ属, カナムグラ, ムカシヨモギ属の花粉数が多い.そのほかではスイバ, シロザ, ケアリタソウ, ヒユ科, タケニグサ, オオバコなどがめだつている.6)スギ, コナラ属, マツ属の年度による花粉数の変動は少ないが, ヒノキ属, ケヤキの花粉数は著しく変動している.7)マツ属, コナラ属, ケヤキなど4〜5月に飛散する花粉の年度による飛散期間の変動は著しく, その年の気温の変動と関係しているように思われる.8)ヨモギ花粉の飛散期間の年度による変動はほとんどみられないが, その年の夏の気温の変動は花粉数の増減に関係しているように思われる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1970-12-30
著者
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