研究所内に高率にみられた実験小動物毛アレルギー

概要

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ウサギ, モルモット, ラットを扱う某化粧品会社附属研究所の従業員を対象に, 職業性アレルギー疾患に関する集団調査を行い, 以下の結論が得られた.1) 研究に直接たずさわる従業員に高い頻度(22例中8例, 36%)で職業性アレルギー疾患がみられ, これは動物毛が原因で起こることが皮内反応, Prausnitz Kustner反応, 誘発試験で確認された.一方, 別棟で動物に接触する機会のない事務系従業員には1人の罹患者もみられなかった.2) 臨床症状を訴える者は12例で, アレルギー性鼻炎4例, 気管支喘息1例, 両者の合併例2例であり, 残る5例は動物毛による非特異的眼鼻刺激症状者であった.3) 自覚症状は就業後1年前後から出現する例が大部分であったが, 2-3ヵ月で症状を訴えた例が2例みられた.4) 3種動物毛の間に交叉反応はみられず, 共通抗原性は存在しないものと思われる.5) 皮膚だけでなく, 毛そのものにも抗原性が認められた.
日本アレルギー学会の論文
1974-01-30