花粉症に関する研究(III) : 花粉症におけるコナラ属植物の意義
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概要
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コナラ属花粉によるアレルギー性疾患患者に対する感作状況を検討した.1)相模原市におけるコナラ属花粉の空中飛散量はスギ, ヒノ属, マツ属についで多く, しかも年度による花粉数の変動は少ない.コナラ属では落葉型のコナラ, クヌギ, 常緑型のアラカシ, シラカシが主なものである.2)コナラ属花粉飛属期間後4ヵ月以内のアレルギー性疾患患者201例のコナラ属花粉エキスに対する皮内反応陽性率は製成後6ヵ月以内のエキスではコナラ10.4%, クヌギ9.5%, アラカシ14.2%であつた.これら3者の皮内反応によるおのおのの相関はいずれもγ=0.9ときわめて多い価が示された.3)明らかにコナラ属花粉症と考えられる4例とPK反応が証明されない疑症例2を報告した.1例はアラカシのみに反応し, 3例はコナラ, クヌギ, アラカシの3者に反応し, しかも, これら3種のエキスを同一の抗原として認識しているかに思われる.4)コナラ属花粉喘息の発作は4〜6月の花粉飛散期に一致して起こつているが, 7月ないし9月まで反覆する例もあり, また10〜12月に再び発作を起こす例もあつた.年2回発作を起こす2例は室内塵エキスにも皮内反応PK反応で反応していた.5)抗原稀釈による皮内反応の閾値は10^3〜10^7倍で.粘膜反応は全て100倍だつた.PK価は1〜125で, 皮内反応, 粘膜反応とともに低い.6)アレルギー性疾患患者201例中4例の患者出現率は決して低い価ではない.コナラ属花粉症に対する関心と同エキスの流布により, 本症の発見は増すものと思われる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1970-12-30
著者
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