かぜ症候群後慢性咳嗽に対するヒスタミン(H_1)受容体拮抗薬, オキサトミドの効果
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概要
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かぜ症候群後慢性咳嗽に, H_1受容体桔抗作用のあるオキサトミドが有効か否かについての検討は本邦では見あたらない.かぜ様症状後3週間以上咳嗽が続き, 非喫煙者で, ACE阻害薬を内服しておらず, 鼻, 副鼻腔疾患や慢性呼吸器疾患の既往がなく, 胸部単純X線, 呼吸機能, 末梢血白血球数・末梢血好酸球数・CRP・肺炎マイコプラズマ抗体価・寒冷凝集素価・血清IgE値に異常のない症例を適格症例とした.適格症例を, 無作為に, 臭化水素酸デキストロメトルファン単独投与群とこれにH_1受容体桔抗薬のオキサトミドを加えた併用投与群に分け, それぞれを1週間内服させ, 咳日記を用いて, 2群間の咳嗽抑制効果を比較検討した.22例登録し, プロトコールを完遂できた症例は, 単独群9例, 併用群11例であった.両群で, 来院時の咳嗽の程度, 咳嗽持続期間, 検査成績に有意差はなかった.5日目より7日目まで, 併用群で有意に咳嗽抑制効果を認めた.以上の成績より, かぜ症候群後慢性咳嗽には, H_1受容体桔抗薬のオキサトミドが有効であることが示唆された.
- 1998-01-30
著者
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鈴木 栄一
新潟大学第二内科
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荒川 正昭
新潟大学第二内科
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荒川 正昭
新潟大学:新潟県健康づくり・スポーツ医科学センター
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荒川 正昭
新潟大学第2内科
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藤森 勝也
新潟県立新発田病院内科
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荒川 正昭
(財)新潟県臓器移植推進財団
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