アトピー性皮膚炎患者におけるQOL : SF-36を用いて
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概要
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アトピー性皮膚炎患者のQOLに強い影響を及ぼす因子について,SF-36質問票を用いて検討した.対象は2000年11月から2001年2月の間に,豊中市の長野皮膚医院を受診したアトピー性皮膚炎患者281名で,SF-36の8下位尺度から重症度・痒みの程度・部位によるQOLを比較した.また痒みの部位別における男女比較・アレルギー性鼻炎との比較を行った.その結果,重症度が最重症のもの,痒みの程度が重症のものが最もQOLに大きい影響を及ぼしていた.また首の痒みは他の部位に比べて特に精神面への影響が大きく,さらに痒みの部位が増加することにより全項目においてQOLが低下していた.重症度別の中等症のものにおいて,顔・首・膝の3カ所では,全項目で女性が男性よりQOLの低下が認められた.以上より,アトピー性皮膚炎患者の精神面へ影響を強める因子が明らかとなり,痒みのコントロールはきわめて重要であると結論できる.患者自身がセルフケアを確立させるために,ストレスコントロールや掻破に対する指導を含む適切な対応が非常に重要である.
- 2002-12-30
著者
-
荻野 敏
大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
-
荻野 敏
大阪大学医学部耳鼻咽喉科学教室
-
荻野 敏
大阪大学医学部保健学科
-
長野 拓三
長野皮膚科医院
-
福録 恵子
大阪大学医学部保健学科
-
荻野 敏
大阪大学医学系研究科保健学
-
荻野 敏
大阪大学医学系研究科
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